2020/10/07 00:00
『モンスターハンターライズ』『モンスターハンターストーリーズ2』開発者インタビュー
Nintendo Switchで登場するモンハンシリーズの新作タイトル『モンスターハンターライズ』(2021年3月26日発売)と『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』(2021年夏発売)。

『モンスターハンターライズ』「翔蟲(かけりむし)」を使った立体的なアクションが大きな特徴で、フィールドのあらゆる場所に登ることができるのがこれまでのモンハンと大きく異なる点。「移動する楽しさ」にも重点が置かれている。


犬のような新たなオトモ「ガルク」が実装。今作では3人以上のマルチプレイでもオトモが1匹まで連れていける(シングルは2匹まで)。忍者のような装束や、妖怪テイストなモンスターも今までとは異なる特色だ。Switchということで、久々に持ち寄って遊べるモンハンの登場となる。

『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』は、モンスターと絆を交わしてともに冒険する“ライダー”をテーマにしたRPGの新作。現段階ではプロモーション映像とおおまかなあらすじが公開されたのみで、詳しいゲーム性はまだ不明だ。


今作はすべてのリオレウスがどこかに去ってしまった世界で、偉大なライダー「レド」の血を引く主人公と、タマゴを託された竜人族の少女が出会うというストーリー。この少女、とてもかわいい。前作は登場人物のボイスはモンハン語だったが、今作はすべて日本語ボイスとなっている。

今回は東京ゲームショウ2020開催終了後の翌日、MHシリーズの辻本良三プロデューサーと、『MHRise』の一瀬泰範ディレクターにリモートでインタビューを決行。その2つの新タイトルについて、気になったところなどを直撃してみた。



当日はこのようにカプコンの東京↔大阪からビデオ通話で取材を行った。

■モンスターハンターライズ


──開発期間はどれくらいでしょうか?

辻本P 『MHX』の開発終了後、一瀬と携帯機の『モンスターハンター』をまた構想することになったのが最初です。その後、モンハンシリーズで初めて「REエンジン(※)」を使うことになり、その検証に時間が必要となりました。そのため構想、検証の期間を含めると、4年弱くらいです。

※:カプコンが『バイオハザード7』のために開発したゲームエンジン。以降も『バイオハザードRE:2』『デビル メイ クライ5』『バイオハザードRE:3』に使用されている。Nintendo Switchで使われるのは初めて。

──今回全体的な世界観が和風テイストになっている理由を教えてください。

一瀬D 好きだから。…というのもありますが(笑)、『MHP 3rd』の時に和風というかアジアンテイストな世界観でやりまして、その後の作品でいくつか違った世界観を踏んできました。なので、もう一度和風・アジアンテイストでやっても面白いことができそうだな、と思ったのがきっかけのひとつではあります。
今回Switchになって新しい表現も出来るようになりましたので、忍者っぽい要素を入れてみるなど、今までと違ったコンセプトでやることで新しい『モンスターハンター』が出来るかなと思いました。


メインモンスターである怨虎竜(おんこりゅう)“マガイマガド”。鎧武者を彷彿とさせる風貌だ。REエンジンによりこれまでのモンハンとはまた違った空気感や質感のビジュアルに仕上がっている。

──今作ではじめてハンターがアクション中に日本語ボイスで掛け声を出すのがとても印象的でした。こちらを実装したきっかけは?

一瀬D サウンドチームからの提案もあり、ハンターに“キャラクター付け”をしてみても面白いかなと考えたんです。今までのハンターはプレイヤー自身寄りのニュートラルなキャラクターだったので、挑戦的ではありましたが。
もちろん従来のモンハンの掛け声の方が好きという方もいると思っていますので、オプションでセリフ量の変更や、これまでの仕様と同じにも出来るようにはしてあります。新しい感覚でも、今までの感覚でもプレイできるのでご安心ください。


PVでは「これでもくらえ!」「パワー…全開!」「この技にかける!」など技ごとに気合の入った掛け声を放っていた。セリフによって熱血系、冷静系などキャラクター性が出てくるだろう。また、「追いましょう」というボイスに対し、仲間が「了解!」「わかりました」と即答するシーンも。自動定型文的なボイスを出せるのかもしれない?

──新武器種はなく、14武器種となりますか?

辻本P はい。武器種は増えませんが、翔蟲によるアクションの追加や連係が変わっているのもありますので、アクションの幅が広がっています。

一瀬D 今回なりに全14武器種を作り直している、と思っていただければ。

──ハンターの挙動周りは映像を見る限り『MHW』ベースかと思われますが、操作感としては『MHW:I』が一番近いでしょうか?

一瀬D そうですね、どれが一番近いかと言われると『MHW』か『MHW:I』になります。

──今回狩技はなく、翔蟲を使った攻撃アクションが必殺技的なポジションでしょうか?

一瀬D 狩技はゲージをためて使うド派手な必殺技のイメージで実装しましたが、今回はそれよりもひとつの技として手軽に使いやすいアクションを目指しました。翔蟲ゲージを使って消費する技になっていて、頻繁に使える技もあれば大技的なものもあります。


翔蟲を使った攻撃アクションは「鉄蟲糸技(てっちゅうしぎ)」と言い、武器種ごとにいくつか用意されている。翔蟲は最初2匹ストックした状態(※)で、翔蟲によるアクションを使うと消費され、一定時間後に再使用可能となる(いわゆるクールタイム制)。
この「使用する翔蟲の数」と「再使用可能になるまでの時間」は使うアクションごとに異なり、強力な技ほどクールタイムが長くなっていく傾向のようだ。
そのため移動に使うのか、攻撃に使うのかという駆け引きが発生し、ユーザーごとに異なる戦略が楽しめるだろう。


※:フィールド上にいる翔蟲を取得すると、一定時間3匹目が使用できるようになる。


TGSの実機プレイでは双剣の鉄蟲糸技として、クナイを撃ち込む技とカウンター技が紹介された。さらに鬼人強化中に新しい乱舞のような技が追加されていた。
太刀は気刃兜割が鉄蟲糸技に変わっており、カウンター技も使用可能。


翔蟲を使ってどこからでもジャンプできるようになったため、これまで以上に縦横無尽な立ち回りが行えるように。しかも空中で大タル爆弾が投げられる!!

──乗りのシステムは今作でもありますか?

一瀬D 従来と同じ形ではなく、別の仕組みを用意しています。乗りについては続報をお待ちください。

──今作のベースキャンプやショートカット周りは『MHW』と似た仕組みでしたが、装備関係やスキル周り、調合のシステムなど『MHW』から変化した部分はどうなりますか?

一瀬D そちらに関しても今後お話させていただければ…。少しだけ説明しますと、『MHW』『MHW:I』『MHXX』それぞれから、Switchで動かすにあたり最適なゲーム性や、ユーザーが遊びやすい形を持ってくるように心掛けています。そのため『MHRise』独自に変えているシステム部分もあります。

──今作で新たなオトモのガルクを実装した経緯を教えてください。また、ゲーム上でガルクというのはどのような存在でしょうか?

一瀬D 今回アクションやゲームサイクルの面でも変えていこうとなった時、オトモにも新しい変化がほしいと思いました。それで以前からユーザーの皆さんより「オトモに犬を出してほしい」という声が多くあったこともあり、どうやったら犬をモンハンの世界に落とし込めるか検証してみることになったんです。結果、オトモとして遊べれば今作のウリのひとつになるかと思い、実装することにしました。
世界観的な面でいうと、新しい拠点の「カムラの里」で使われている狩猟技術のひとつです。その地方では昔からガルクとともに狩猟を行っていたという設定になりますね。


ハンターの拠点であるカムラの里。製鉄が盛んなようで、火を拭き上げている塔は現代で言うフレアスタック(余ったガスを燃やして無害化する設備)だろうか。


ガルクに乗って自在に移動可能。乗りながら一部アイテムも使用できる。『MHW:I』のモンスターライドと似たシステムだが、自身で操作できるのが大きな違いだ。
実機プレイではガルクに乗って回復薬を使った際、<使った直後に体力が一気に回復→そのまま飲みモーション>と『MHW:I』とは違う仕組みであった。ガルクに乗っている時以外で回復薬を使用している場面はなかったが、今作は「一気に回復する」タイプかもしれない。




フィールド上でオトモとコミュニケーションを取ることができる。アイルーとじゃれるほか、“お座り”したガルクにナデナデや“お手”まで!

──今作はクエスト開始直後からモンスターの居場所がわかるようですが、導蟲のような目的地までのルートをガイドしてくれる要素はありますか?

一瀬D 今作は「フクズク」というフクロウのような生物を飛ばして、モンスターの位置を把握しているという設定です(※)。今までモンスターを探すというのも遊びのひとつでしたが、今作はモンスターのところに「いかにしてたどり着くか」という部分に遊びの焦点を置いています。最短ルートで一気に突き進むのか、裏道を使ってハンターを強化しながら進むのか、自分ならではの攻略を見つけていただきたいですね。
導蟲はありませんが、モンスターのもとにたどり着くフォローというのは別途入れてはいます。

※:マップ上に最初から「?」やモンスターのアイコンで表示された状態になっている。ペイントボールや痕跡といった要素はない。


フィールド上にはハンターの能力をアップさせたり、アイテムとして使えたりする環境生物などが点在している。例えば上の画像にいる「ヒトダマドリ」は複数の色があり、例えば緑だと体力の最大値、黄色だとスタミナの最大値が少し上昇する。フィールドを駆け巡り、ハンターを強化してからモンスターに挑むのも攻略のひとつだ。


こちらは「アメフリツブリ」。入手するとアイテムとして使えるようだが、どんな効果があるのか不明。


勾玉草に「大翔蟲」を放つことで、その場から真上に大ジャンプが出来るのだ。

──『MHW:I』は手強いモンスターが多く、じっくりプレイしていくバランスと感じましたが、今作のゲーム難易度はどれくらいでしょうか?

一瀬D 最初の立ち上げのときに、辻本から「携帯機としての遊びを目指してほしい」という話を受けていたので、手軽さは意識して調整しました。探索などで長い時間はかけられますが、狩猟時間としてはお手軽に遊べる設計にはしています。

──『MHW』ではオンとオフの境目が特にありませんでしたが、今作は過去作のように村クエストと集会所のような、オンとオフで明確に分かれた形になるのでしょうか?

一瀬D 詳しくはまだ言えないのですが、オンとオフが分かれている、携帯機の方に近い形ではあります。

──タッチ操作やジャイロ機能を使った要素はありますか?

一瀬D 限定的に一部対応しています。もちろんその機能を使わなくてもじゅうぶん遊べますので、+アルファくらいの要素と思っていただければ。例えばカメラ機能に採用しています。


これまでにない要素が多く追加された新生モンハン。最近モンハンをプレイしていなかったユーザーもぜひ復帰してほしい作品だ。今回のインタビューではまだ詳しく語られなかった部分や、他の武器種のアクションについての情報が待ち遠しい。あとは河童蛙“ヨツミワドウ”の、「河童蛙」の読み方が少し気になる。かっぱがえる?

なお、Switch以外のハードで出る予定や、携帯機でおなじみだった各メディアとのコラボクエストが復活するかどうかも聞いてみたが、どちらも現状は予定なしとのことであった。

■モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~


──前作よりもキャラクターの等身が上がるなど、全体的な雰囲気が大人びた印象を受けました。ユーザーの年齢層も前作より上の人たちにより向けた形でしょうか。

辻本P 今作の制作にあたり、「前作よりも幅広い方にプレイしてもらいたい」という思いがすごくありました。前作をプレイしてくれた層の方も遊べて、さらに層が広くなるようなものはどうしたらいいのかを考えながら、世界観や雰囲気、等身やグラフィック部分など時間をかけて調整した結果が今の形になっています。「幅広い層にプレイしてもらうにはどうしたらいいか?」という問いに対する、我々の回答ですね。


今作の主人公(外見はキャラクターメイキングが可能)。全体的なビジュアルが前作より大きく変わっている。光っているのは導蟲だが、『MHW』の導蟲とは別の使い方がされているようだ。

──前作をプレイしていなくても楽しめますでしょうか?

辻本P 前作をプレイしていないとわからない、というゲームにはしていませんので、今作からプレイする方でも前作をプレイした方も楽しんでいただける内容になっています。




前作に続きリオレウスがフィーチャーされた物語。サブタイトルの「破滅の翼」からも感じるとおり、PVを見るだけでもシリアスな雰囲気が漂っている。

──『MHRise』との連動要素があるとのことですが、世界観的に繋がりがあるのでしょうか?

辻本P 世界観的に直接の繋がりはありません。連動要素に関しては、どちらかのタイトルを遊んだら、もう片方のタイトルにちょっといいことがある的な要素を実装予定です。



新たにレイギエナやアンジャナフが登場するが、『MHW』と世界観が一緒ではないので、舞台が新大陸というわけではない。

──ターン制や3すくみのバトル、卵から孵化するといった基本的なゲーム性は前作と一緒でしょうか?

辻本P 前作で好評だった部分は引き継ぎつつ、今作で深みを増すように制作しています。


前作でライダーが装備できた武器種は4種類(大剣、片手剣、ハンマー、狩猟笛)。今作では2種類の武器種が追加されるが、その種類については今後公開していくとのこと。

──前作では対戦が行えましたが、今作も実装されますか?

辻本P まだ詳しいことは言えないのですが、前作で楽しんでもらった部分に関しては今作も引き継いでいくというのは根本的にあります。


発売がまだ先ということもあり、まだ謎の部分が多い本作。どうやらボリュームはかなりある模様だが、ストーリー展開やゲーム性がどのように進化しているのか、こちらも今後の情報に期待したい!

モンスターハンターライズ
発売日:2021年3月26日(金) 予定
対応機種:Nintendo Switch
ジャンル:ハンティングアクション
プレイ人数:1人(オンライン:1~4人)
※インターネット通信プレイ、ローカル通信プレイ対応

モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
発売日:2021年夏発売予定
対応ハード:Nintendo Switch
ジャンル:RPG
プレイ人数:1人

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