『プラグマタ』開発者インタビュー:クリアまで約10時間想定で周回要素もあり。バランス部分は開発チーム的に満足いく内容。
『プラグマタ』試遊レポート第2弾に続いて、試遊後に実施された開発陣インタビューをお届け。大山直人プロデューサーと趙 容煕(チョウ ヨンヒ)ディレクターに3メディア合同インタビューを行った。

──本作のシューティングとハッキングを組み合わせたバトルシステムが誕生した経緯についてお聞かせください。
趙 まずSFアクションをテーマとする場合、基本的にはガンシューティングの要素が必須になります。ただ、銃を撃って敵を倒すだけだと一般的なアクションゲームと差別化ができないので、「ああしよう、こうしよう」と戦略的に考えながら戦えるゲームにしたかったんです。そこでハッキング要素が加わる形となりました。
大山 “ヒューのシューティングアクションとディアナのハッキング”という要素は結構初期の段階から決まったのですが、今の形にたどり着くまでにはだいぶ試行錯誤を繰り返しましたね。色々試してみて「シューティングとパズルの組み合わせが面白そうだ」となり、それを何度もブラッシュアップして今のシステムに至りました。
──試行錯誤した中のボツネタって、お答えできる範囲でありますでしょうか?
大山 だいぶ違う内容だったこともあり、発売前に言ってしまうと面白そうに聞こえちゃうかもしれないので…(笑)。今は控えさせていただければ。
趙 いつか言えるときが来るかもしれないです(笑)。

──ハッキングに関して、ユーザーから「爽快感がなくなってしまう」という印象を抱かれる危険性もあったかと思います。そのあたり気をつけた部分がありましたら教えてください。
趙 シューティングとハッキングの組み合わせって目新しさはありますが、「ちょっと面倒くさい」と感じる方ももちろんいるかとは思っていました。また、ハッキング部分を押しすぎると“やらされている感”がすごく出てしまい、プレイを諦めてしまうという問題も開発中にあったんです。
そのため自主的にハッキングしたくなるシチュエーションを作っていこうというところを一番大事にしました。基本的にはユーザーは撃ちたい、破壊したいという気持ちが強いと思うので、そこは崩さないようにしています。自分から「この瞬間にハッキングで攻略しないと」というところをちゃんと作って、そのあとに銃で破壊する気持ちよさを表現しようと努力していきました。最終的にシューティングとハッキングのバランス部分に関しては、開発チーム的に満足できる調整にできたと思っています。
大山 ゲーム全体を通して楽しめるようバランス調整や工夫は詰め込んでいます。ゲームが進んでいくとシューティングとハッキングのウェイトをプレイヤーが選択できるようにもなってくるので、ハッキングに義務感を抱かずに遊んでもらえるかと。
趙 後半になっていけばハッキングを決める瞬間っていうのがより気持ちよくなってくるかと思います。社内テストでは、最初は銃を撃つほうが好きというスタッフも、後半はハッキングだけやっているなんて場合もありましたね。
──全体のプレイボリュームはどれくらいになるのでしょうか?
趙 昨今のゲームは“ユーザーが選択できる要素”が大事になってきているので、プレイ時間に差は出るかとは思いますが、クリアまで約10時間くらいの想定です。
大山 本作の開発チームは『バイオハザード』や『デビル メイ クライ』シリーズを担当しているカプコンの第1開発という部署でして、近年のバイオシリーズくらいのボリューム感を意識して開発しました。バイオシリーズにあるような周回で楽しめる要素も入っているので、探索要素なども含めるともっと長く遊んでいただけます。
ディアナのおはなし
──ディアナのデザインの経緯について教えてください。
趙 まず月面を舞台として設定した際に、白黒ばかりの世界でビジュアル的にどういう風に面白くするかという部分は結構悩みました。主人公のヒューも白い宇宙服ですし。それで相棒のキャラクターを設定することになったんです。最初はドローンから始まり、犬とかいろんな相棒生物を得て、最終的に“裸足の少女”というイメージになりました。靴って人類文化を示すものなので、靴を履いていないということは人類文化に触れていない表現にもなるかと思い。そこから誰かに着せられたサイズに合わないジャケットを着ているというイメージを組み合わせて、今のディアナになりました。

大山 「月面で靴を履いていない少女」という違和感が、彼女がアンドロイドであることの表現もできたかなと思っています。
趙 ヒューがメカメカしい宇宙服を着ているので、見た目だけで言うと「どっちがアンドロイドなの?」っていうギャップも面白くて。ディアナも最初は白いカラーだったんですが、特徴的に見せないといけないキャラクターなので青のカラーリングになりました。地球を目指すという設定としても青が似合うのではないかと。
大山 全くの偶然ですけど、青と黄というカラーリングはカプコンのカラーでもあります。それもあってカプコンを代表するキャラクターにはなってほしいですね。

──ゲーム中、ヒューとディアナの掛け合いが楽しめました。中にはレアパターンで聞ける会話もあるのでしょうか。
大山 はい、そういったものもあります。会話の導線はいくつも用意しておるので、探索や進め方次第でいろいろなやり取りが聞けるのでそこも楽しめる要素として開発しました。
趙 プレイヤーの方が感情移入するのはヒュー側ということもあり、ディアナと仲良くなるにつれて愛着も増してくる…というところを大事にしました。
──ディアナの日本語吹き替えを担当している東山奈央さんの演技が、普段アニメやゲームで聞いている演技とはまた違った形で驚きました。声優さんへのディレクション周りについてお聞かせいただければ。
趙 ディアナに関しては直球な「萌え萌えキュン!」みたいなキャラにはしたくなくて、女性としての可愛さではなく、“リアルな子どもの可愛さ”を大事にしました。天然さというか。ディアナは知識はありますけど実際に経験したことがないことばかりなので、学習したい好奇心は子どもと似通っている部分です。そういう風なキャラクターになるよう、オーダーしました。

──ちなみに3/6に公開された最新トレーラーで、「地球に行く準備をしてたら~」というセリフが女の子の声でしたが、あれはディアナじゃないですよね?
趙 ほほう…。
大山 鋭いですね…(笑)。今は「ディアナではない」ということだけお伝えしておきます。
試遊した範囲について気になったこと
──今回試遊したステージ2が頭の大きい敵の見た目や死角から急に敵が飛び出してくるところなど、少しホラー要素を感じられる印象もありました。これはこのステージがそういう特徴なのでしょうか。
趙 『プラグマタ』全体として、ホラー感を出そうという意識はしていないです。ただ意図してロボットではなく生物っぽいメカのデザインにしているので、そこで不気味さを感じられる印象はあるかもしれませんね。
大山 ユニークな敵だったりインパクトのある登場シーンを用意したりした結果、それがたまたま噛み合ってホラーっぽい印象を受けたのかなと思います。

趙 ゲーム内の設定として、人が作成したメカはかっこいい目のデザインなのですが、IDUSが作ったメカはいびつな形なものがあります。これはIDUSが人を怖がらせるためにそうしたのではなく、人を再解釈して作り上げたためです。
大山 ちょっと人に似ているけど人じゃないみたいな。ステージの造形においても、壁にバスがめり込んでいたり、プリントに失敗しているタクシーがあったりとか、見慣れている光景の中にAIが紛れ込ませた違和感のあるデザインは共通して取り入れています。

カプコンスタッフ 最初に大山がバイオやDMCのスタッフが多く参加していますというお話がありましたが、怖くしたいという意図がなくてもこれまでのDNAが紛れ込んだ結果かもしれないですね。
趙 それはあるかも。作っている側がそういう癖が残っているんで(笑)。
──赤いアンテナを破壊しないとハッキングできない敵が登場しました。そういった特別なギミックを持った敵も今後登場するのでしょうか。
趙 はい。ステージ2でまずその「ハッキングができなくなる敵」という変化球を用意しました。ステージ3、4に進むとまた違う変化球が出てくるので、それに合わせて戦略を変えていく攻略ができるようになっています。
大山 体験版をプレイしたユーザーの方から「本編で通しでプレイしたら飽きが出そう」という意見をいただいているのですが、そういった部分の回答として攻略に幅を持たせて各ステージで飽きさせない工夫を用意しています。
──最初に「後半はハッキングだけやっている場面もある」というお話がありましたが、ハッキングのダメージだけで倒していく攻略も有効になってくるのでしょうか。
趙 シェルターでハッキング周りの強化ができるほか、ハッキングを強くできる武器というのも存在します。そういったものを組み合わせることでハッキング自体のダメージを高くしていけますね。
大山 後半になるほどハッキングパネルの選択肢も増えていって、5体の敵を1発で倒せるなんてこともできます。ハッキングを繰り返してダメージを稼ぐというよりは、1回で強力なダメージを与えることも可能になってくる形ですね。

趙 プレイしはじめはハッキングパネルに意識が向きがちで難しいと感じる部分もあるかと思いますが、少しずつ慣れていけばそういうのもなくなってくるので、ぜひその壁を乗り越えていただきたいです。パズルと言ってもゴールを目指すだけではあるので、慣れてくると一瞬パネルを見るだけでどういう順番でボタンを押せばいいか判断できるようになってくるんですよ。
大山 例えば車の運転って初心者ドライバーのうちは目の前のことに集中するので、看板や対向車を見るのが結構大変なんですが、何度も運転しているとそれが自然にできるようになってくる。それと一緒で、プレイを繰り返していると自然とハッキングができるようになっていきます。このプレイヤースキルの伸び幅と言いますか、上達していく達成感が味わえるゲーム性になっていますね。
趙 マスに意識が向いちゃってうまく戦闘ができないのは最初はみんなそうです。それが段々とうまくできるようになっていくことで、自分がかっこよく感じる瞬間も楽しいですね。
大山 どんどんハイスピードで運転できるようになってきますよ。
趙 ハイスピードで運転はしちゃダメだけど(笑)。
──最後に発売を楽しみにしている皆様へ一言お願いします。
大山 体験版の範囲でも繰り返しやっているとパズルを解く速度もどんどん速くなっていくので、今のうちに慣れていただくのもいいかと思います。ただ体験版で上達されてすぎてしまうと製品版でスムーズにクリアできてしまうので(笑)、程よい塩梅で遊んで製品版を楽しみにしていただければ。
趙 体験版は本作の要になるアクション部分を遊んでもらう内容になっています。そのため世界観やストーリーをあまり伝えられていなかったのですが、製品版ではしっかりそのあたり描かれていますので、ご期待いただければと思います。

短い時間でも戦略性の広さを感じることができた今回の試遊。インタビューの通り、ハッキングに義務感を抱くこともなく、むしろうまくできるようになりたいという気持ちでプレイできた。スムーズにプレイしている人の動画を見ることでも、「自分もこんなふうに動いてみたい」と感じやすいのでは。
メーカーから提供された動画ではジャンプを使って敵の攻撃を回避したり、高い位置にいる敵や部位を攻撃したりと、ジャンプの有効性も感じ取れる内容であった。ジャンプは構え中にはできないため、一旦構えを解除する必要があるのだが、最初のうちはここが難しくもあった。構えながら✕ボタンを押して「ジャンプが出ない!」となりがち。今のうち体験版でこのあたりの操作に慣れておくのもいいのでは?
おわり
『プラグマタ』
発売日 PlayStation5 / Xbox Series X|S / Steam:2026年4月17日 Nintendo Switch2:2026年4月24日
プレイ人数 1人
ジャンル SFアクションアドベンチャー
©CAPCOM



