『プラグマタ』試遊レポート:パズルとアクションが融合した独特の戦闘システムは新たなプレイ感覚
2020年6月にカプコンの新規IPとして発表され、その後2度の発売延期と長い沈黙期間が続いたが、ついに今年6月に2026年の発売が決定した『プラグマタ』。今回はGamescomに出展される『プラグマタ』のイベント試遊版のプレイレポートをお届け。
※画面は開発中のもの及びPlayStation5Pro版のものです。
※イベント出展向けに調整された内容のため、実際の製品版とは異なる部分がございます。
動画では試遊版の冒頭からプレイを通して、システム面や気付いたことに触れている。本記事ではそのシステム部分についてまとめていく。
登場人物

月面施設の調査に派遣された、システム監視員のヒュー・ウィリアムズ。彼は月震による事故で重傷を負うも、アンドロイド“プラグマタ”の少女に救助される。ヒューは少女にディアナと名付け、二人で地球の帰還を目指して月面施設の探索を進めることとなった。

施設装置やボット(作業・警備用ロボット)にハッキングできる能力を使えるディアナ。ディアナは“ルナフィラメント”という素材で造らており、好奇心旺盛で高い学習能力を持つ。ルナフィラメントは月の鉱石“ルナム”から精製される素材で、物体情報をコピーすることで形状だけではなく性質や機能までも再現できるというスーパーチート素材なのである。
ハッキングで敵の装甲を解除
本作はTPSに近いジャンルとなっているが、敵に“ハッキング”を使って装甲を解除してから射撃を当てていくという、パズルとアクションを組み合わせたゲーム性が大きな特徴である。

L2ボタンで武器を構え、R2ボタンで射撃というスタンダードな操作。敵は硬い装甲に覆われており、そのまま攻撃してもあまりダメージを与えられない。


そこでハッキングの出番。L2ボタンで構えながら敵にある程度近づくとディアナがハッキングし、画面右にパネル(ハッキングマトリクス)が表示。L2+▢/△/✕/◯でノードを操作してマスを移動し、一筆書きの要領で緑マス(実行ノード)まで移動すればハッキング成功となる。
青マスは通過するほどハッキング成功時のダメージが増えて装甲解除時間が延長される。
■人型の敵(ウォーカー)の場合
・青マス0個通過:ダメージ33、解除時間約3秒
・青マス1個通過:ダメージ66、解除時間約10秒
・青マス2個通過:ダメージ99、解除時間約22秒
成功時のダメージは33ずつ増えていくが、解除時間は飛躍的に増えていく。装甲の解除自体は青マスを通過しなくても発生するため、必ずしも青マスを全て通過する必要はない。

ハッキングに成功するとダメージを与えつつ、敵の装甲を強制解除させる。これによって射撃で大きなダメージが与えられるようになるのだ。そのため基本的には開幕でまずハッキングして装甲を解除させ、一回の装甲解除時間で仕留められない場合はもう一度ハッキングして解除させる…という流れになるかなと思う。
青マスをどれくらい通過するかがポイントっぽく、例えば数秒で倒せる敵ならば青マスを0~1つ通過するだけでも十分になりえる。ただ、ハッキング自体のダメージを上げておくことで、「倒すまでの弾数を1発節約できる」というケースもでてきそうだ。そう考えるとなるべく多く青マスを通過しておくことに越したことはないのかも?
なお、一度のハッキングで成功させなくてもよく、途中までノードを移動してから一旦構えを解除して再度ハッキングすると、先程進めた場所から再開が可能。ただしハッキング操作中に敵からの攻撃を受けてしまうと失敗となり、最初からハッキングをやり直す必要がある。再ハッキング時はマスの配置も変わっていた。

敵によってハッキングパネルのマス数が異なり、通行不可のマスも存在。パネルの配置を見て素早くどのルートを通るべきか判断できると、そのぶん敵をスムーズに倒せるようになるかと。


道中ではデコードというハッキングノードを拾得できた。デコードは最大3つまで所持でき、所持しているとハッキングパネルに黄色のアイコンが表示され、通過してハッキングを成功させると敵の防具回復を一定時間ダウンさせるという効果を持つ。同じ敵に重ね掛けすると効果は上がるが効果時間が減少する模様?


もし「進むマスを間違えた…!」と思っても大丈夫。1つ前のマスに戻ることも可能で、ノード操作中にL2+タッチパネル長押しでリセットもできる。
ハッキング中、画面右に意識を向けすぎていたり、ノード操作でもたついていると敵の攻撃を受けてしまいやすい。慣れるまでは急いでハッキングを成功させるよりも、敵との位置関係に気をつけたほうがよさそうだと感じた。

敵の部位によって与えるダメージが異なり、弱点部位も存在する。装甲解除後、射撃を当てた際にオレンジに光る部位が弱点のようだ。体力が多い敵はしっかり弱点を狙うことも重要になるだろう。

パネルのマス数が多いほど、素早く緑マスを目指すか、なるべく青マスを通過するか、デコードを通過するかといったいくつもの選択肢がある。
武器
攻撃手段となる武器は、メイン武器であるプライマリウェポンのほか、道中でアタックユニットとタクティカルユニットというカテゴリの武器も拾うことができた。試遊で使えた武器は以下の通り。
【プライマリウェポン】グリップガン:ハンドガンタイプの武器。装弾数は6発で、1発撃つごとに時間経過で1発ずつリロードされていく。0→1発のときのリロード時間が少し長め。手動リロードはなかった。
【アタックユニット】ショックウェーブガン:ショットガンタイプの武器。敵との距離が近いほど効果を発揮する。
【タクティカルユニット】ステイサスネット:着弾地点にエリアを展開し、周囲にいる敵を一定時間拘束できる武器。拘束中は少しずつダメージを与える効果もある。

アタックユニットとタクティカルユニットは使い切りタイプの武器で、残弾が0になると使用できなくなる。再び拾得することで残弾を回復することができるが、最大数以上は装填できない。

方向キーの左でアタックユニット、右でタクティカルユニットに持ち替え可能。試遊ではどちらも強力な武器なうえ道中でよく拾えたので活躍できる武器であった。ただし一発ごとのリロード時間が長めではある。リロード中は別の武器に切り替えるほか、その間に素早くハッキングしてダメージを与えておくのも手だろうか。
あとはハッキング自体の
ヒューのアクション
画面下部に表示されているスラスターゲージを消費して、✕ボタンでジャンプ、✕ボタン長押しでホバー、R1ボタンで回避が行える。L3ボタンでダッシュも行え、こちらはスラスターゲージを消費しない。

ホバーを使うとジャンプ後にスラスターゲージを消費しながらゆっくりと下降していく。ゲージが一定量まで減るとスラスターを使った行動はできなくなる。

回避は任意方向へ素早くステップする。空中でも使用可能。敵の攻撃をとっさに避けるのに便利なアクションであるが、スラスターの消費量が多く、あまり連発できない。

ジャンプは移動だけではなく回避アクションとしても活用でき、例えば地面に衝撃波を出してくる敵はタイミングよくジャンプすることで避けられるようだ。

◯ボタン長押しでリペアカートリッジを使って体力の回復が可能。試遊版では2つ所持した状態だった。回復量はあまり多くない。
オーバードライブ
試遊版ではボス戦の途中でチュートリアルを兼ねて使用可能となるアクション。ハッキングを使うことで溜まるハッキングゲージが最大まで溜まると、ディアナの能力であるオーバードライブが発動可能に。発動すると周囲の敵の装甲を開き、動作を一時停止させる。

試遊の最後に待ち受けているボス戦の途中で、オーバードライブを使用するチュートリアルが発生する。この演出以降画面左下にハッキングゲージが表示されるように。

1回のハッキングで溜まるゲージは少し。製品版ではいざというときに使うことになりそうだ。ハッキングゲージを溜めるために、意図的にハッキングを多めに使っていくという攻略方法もあるかもしれない。
ステージ進行
試遊では月面施設クレイドルから脱出するため、メイン電源を回復させるべく太陽発電所へ向かおうという展開。現在の目的は画面上部に表示されていく。

道中でもハッキングを使ってギミックを解きながら進めていく。こちらは円の外側から順番に表示されているボタンを押していくというもの。

こちらは外周に記載されているボタンを押すと、その箇所が時計まわりに回転し、中央の数字と直線上に繋げていくというギミック。制限時間もあった。

マップやミニマップは存在しなかったが、▢ボタンでハッキングすると現在の目的地がアイコンで表示されるため道には迷いにくかった。

中間ポイントをハッキングして解放すると、戦闘不能時にここへと戻って来る。また、解放時にHPの回復、リペアカートリッジの補充、武器の装填数が最大まで補充される。施設内のツヤツヤした質感と映り込みがリアル。

目的地とは別の方向にある部屋には音声データやリペアカートリッジを1つ増やせるカートリッジホルダーを発見できた。

ほかにも壁だと思った箇所にアクセスしてみると、壁が消えて隠し部屋を発見できる場所も。このように試遊でもちょっとした探索要素も用意されていた。
ボス戦
最上階まで進むと“セクターガード”というボスが登場。ボスということで当然体力が多いため、ハッキングテクニック


セクターガードのハッキングパネルには赤いマスがあった。通過すると何かデメリットがあるのだろうか…(試遊中に通過せずにクリアしてしまった…)。青マスが離れた位置に配置されやすく、多く青マスを通過しようとすると少し時間がかかってしまう。

背中のジェネレーター部分らしき場所が弱点になっており、背後から攻撃することで大ダメージが与えられた。体力が多いぶん、デコードの防御力減少効果も活かしやすいか。

背中の弱点に攻撃を叩き込んでいると、敵がオーバーヒートの状態に。この状態のチュートリアルがゲーム内で説明がなかったため詳細は不明だが、一定時間その場から動かなくなるのは確認できた。また、非構え中にR2を押すと何かアクションができるのかもしれない。

ボスになると位置取りがより重要に。セクターガードがミサイルを発射すると着弾地点に赤い円が表示されるため、避ける位置は判断しやすい(避けられるとは言っていない)。

ボスは体力が多いぶん、ハッキング回数も必然的に増える。ただ試遊版ということもあってか難易度自体は高くはなく、ショックウェーブガンとステイサスネットがやたら強いのと弱点部位の範囲が広めなのでガバエイム勢でも倒しやすかった。

最初にゲーム内容の紹介映像を見たとき、“攻撃の前にパズルを解く”という要素に不安な部分を感じていたところもあった。「これってもしかして面倒なのでは…」と。しかし実際にプレイしてみると“やらされてる”みたいな印象はなく、「意外とアリかも…!?」と思えた。
これはハッキングがテンポよくできるのと、ほどよく頭を使う戦術面として機能しているからだろう。とりあえず装甲解除だけしておけば突破自体はできるが、いかに効率的にハッキングして素早く倒すか…を考えるといろいろな選択肢がある。今回試遊した動画を見返してみると「こうしてみればよかったかな」と思う箇所も多く、いろいろ試してみたい気持ちを抱いた。アクション部分はシンプルだが、ハッキングのおかげで独自性の感じられるゲームとなっている。
こういったゲーム性かつ全体的に硬派な印象があるので、「刺さる人には刺さる」寄りのタイトルかもしれない(同社の『エグゾプライマル』とか『祇』に近い性質かもという気も)。頭を使って攻略していくのが好きな人は楽しみやすいのではないだろうか。来月に開催される東京ゲームショウ2025でも恐らく出展されるので、気になる方はぜひ触ってみてほしいところである。
おわり
『プラグマタ』
発売日:2026年
ジャンル:SFアクションアドベンチャー
対応機種:PlayStation5、Xbox Series X|S、PC
©CAPCOM