DLC『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』製品版レビュー:難度は高いが新たな武器が攻略のカギに
6月21日(金)発売『ELDEN RING』のダウンロードコンテンツ『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』の製品版レビュー。発売に先駆けて50時間プレイ(未クリア)した所感や新しい8つの武器種について動画でまとめた。
DLCはレベル146の技量戦士でスタート。以前の試遊だと生命力55でも厳しさを感じたので、プレイデータは生命力60まで上げた状態にしておいた。
戦闘の難度は上昇しているが、プレイヤー側も強くなれる
影の地はやはり敵の攻撃性能が全体的に高い。攻撃のリーチや踏み込み距離が長く、さらに攻撃回数が多いなど苛烈さが目立っていた。一撃でHPを1/3以上もっていかれる相手も。特に敵の二刀流攻撃は回避後に攻撃が当たってしまいやすく、攻撃や回避をするタイミングを掴むのに苦労した。
また、敵が複数体集まっている場所も多い印象で、迂闊に斬りかかると挟み撃ちにされてあっという間にやられがちである。視覚外から不意打ちにも合いやすく、特に死亡率が高いのはこの状況かもしれない。自分がもともとエルデンリングが得意ではないプレイヤーだったので、この先やっていけるのかという不安もあった。(本編をプレイしていた当時も最初は挫折を挟んだ)
そんな状況で活躍してくれたのが、強攻撃で武器を投擲できる流紋武器。特に流紋の円刃(逆手剣)という武器を入手してから世界が変わった。
流紋武器は筋力、技量、知力、信仰と必要能力値が4つもある。自分の場合、知力と信仰が足りず最初は防具とタリスマンで補っていたが、メインで使うようになってからステータスを振り直した。
流紋の円刃はジャンプ強攻撃で素早く武器を投擲できるため、ジャンプで相手との距離を調整しながら一方的に攻撃を加え続けやすい。スタミナ残量と立ち位置さえ注意しておけば、相手との攻防を無視できるのは大きな利点。
それでもさすがに狭所や複数戦では分が悪いため、道中の緊張感はかなり高いものがあった。やはり一撃のダメージが重い、連続攻撃で回復の間もなくやられやすいという部分は常に死と隣り合わせである。
今回は敵がわりと安易に逃がしてくれないという傾向が強く、「逃げるよりも先に倒してしまう」「やられる前にやる」というのが今まで以上に重要に感じた。そういった部分でも流紋による先制攻撃や安全地帯からの攻撃が有効である。
また、新たに追加された戦灰もリーチの長い攻撃や範囲攻撃が揃っており、それを使うことでも難所が突破していきやすい。今作はそういった新要素を活用しながら進めていくバランスになっているのかもしれない。
ボス戦は今作でも遺灰やNPCの召喚で難易度が大きく変わるだろう。特に流紋武器を使えば、NPCや遺灰を狙っている時に安全圏から攻撃し続けつつ致命も狙える。あとはプレイヤーが狙われた際にいかに攻撃を捌ききれるかだけだ。さすがに初見で倒せたボスはいなく度々苦戦もあったが、それでもあまりリトライを繰り返さずに済んだ。流紋がなければ途中のボス戦で詰まっていた可能性は十分ある。
本編でも難度は高いながら特定の戦技などを活用することで突破しやすくなる“抜け道”的な部分があったが、本作でもそういった救済部分は用意されている印象。エルデンリングの攻防感が得意ではないプレイヤーでも、なんとか進めていけるようになっているかと。
本編では屍山血河の戦技「死屍累々」のゴリ押しで多くを乗り切り、今回も流紋の力で多くを乗り切ってしまった。
ただ敵対NPCは飛び道具を的確で避けるので流紋戦法が通じない。また、ラスボス?もあまりに強すぎて流紋でなんとかなるどころの話ではなかった…。未クリアなのはラスボス(本当のラスボスかはわからないが)が倒せなかったためである。最後はそう安々と突破させてくれないのがエルデンリングらしい。
他に戦闘を有利に進めるうえで重要な要素として、影の地では「影樹の欠片」を集めて「影樹の加護」を得ることでプレイヤーの攻撃力とカット率が、「聖灰」を集めて「聖灰の加護」を得ることで霊体と霊馬のカット率がアップしていく。加護のレベルが上がっていくと差もかなり出てくるので、難しいと感じたらシンプルに加護のレベルを上げるのも有効になる。
画像右側の黄色い数値が加護の補正で上昇している部分。左側の無補正と比べるとかなりの差があることがわかる。
立ち回りに変化を出せる8つの新武器種
今回追加された新武器種もこれまでの武器種と比べてモーションや性質に個性があり、それぞれ独自の強みを持ち合わせる。もし流紋だけでは味気ない、と思っても新武器種を使っていくことで面白さが増してくるはず。個人的にDLCの面白さは新武器種のアクションに詰まっているとも感じた。
新武器種は投擲剣、逆手剣、軽大剣、大刀、格闘、獣爪、調香瓶、刺突盾の8種。動画ではアクション映像とともに使用所感などをまとめている。ちなみに武器種の練習+動画撮影用に+10時間プレイしていた。
新武器種のうち逆手剣、軽大剣は特に扱いやすい印象(ゲーム中でも早めに入手できる)。逆手剣は特に戦技「死角の一撃」が優秀で、軽大剣は強攻撃のモーションも素早く、片手・両手持ちどちらも扱いやすい。
範囲攻撃が重要な場面も多いので、投擲剣の戦技「散弾投擲」や調香瓶も活躍しやすいかと思う。大刀、格闘、獣爪は最初使った時はちょっと癖があったり、使い所が難しいと感じる部分もあったが、特定の行動を主軸にした戦い方が強いとわかってから有効に戦えるようになってきた。
刺突盾も扱いが難しいという印象だったものの、ガードしながら通常攻撃を適度に連打するだけでも攻撃を防ぎつつ少しずつダメージを与えていけるため、回避に失敗して攻撃を受けるよりは結果的に被ダメージが抑えられる利点もあった。
新武器種は道中の宝箱からなど入手状況は限定的。新武器種をいろいろ使ってみたい場合は探索を優先することをおすすめしたい。新武器種を使って狭間の地を攻略するのも楽しそうだなと思った。今までのボスと違う攻略法ができそう。流紋が結構刺さるかな?
十分に探索を楽しめるフィールドの構造
フィールドの広さは、マップ上で比較するとリムグレイブを1~2回りくらい大きくしたくらいで、南北の長さだけでいうと湖のリエーニエ~アルター高原よりも短いくらい。ただ縮尺がぴったり同じかわからないので参考程度に。
ストーリー進行で行く必要がある範囲がそこまで広くなく、フィールドの多くは自由探索で訪れることになる。実際50時間プレイしたうち、探索で大半を占めている。クリアに必要なボスだけ突っ走るなら結構早く終わるかも(もちろん腕前にもよるが)。
影の地は山岳地帯のように各エリアで標高差があるのが特徴。崖上や崖下に未到達のエリアや建物を確認できるのだが、どうやってそこまでたどりつくか頭を悩ませる場合がある。
50時間もあれば探索も終わってそうに思えるかもしれないが、実のところ15時間かけて探しても行き方がわからないエリアがある…。そのためまだ地図を1個だけ取っていない状態。ただ探しているうちに新たな発見もあったりで、完全に何の成果も得られませんでした時間にはなってはいないが。しかし15時間も詰まっているのはゲーム人生史上初。そんなことありえる…!?
意外と探索し尽くしたと思っても見落としている場所が出てきたりするので、隅々まで回ってみるといろいろと発見があるはず。探索のボリュームはしっかりと感じられるかも。今回はマップを見る力や気付き力が大事になるだろう。
例えばこの影の地の初期地点からすぐ後ろにある崖には建物が確認できるのだが、行き方がさっぱりわからない。
ちなみに自分の場合、とあるボスを倒さずに次のエリアに進んでしまい、祝福から光の案内がずっと出てこないうえ、ラストダンジョンの行き方もわからず半ば詰んだ状態だった。それから、そのボスの居場所に気付いたのはかなり後の方。いろいろとガバガバプレイである。はよきづけ!
ストーリー進行で訪れるレガシーダンジョン以外だと、砦、鍛冶遺跡、牢獄、墓地といった小~中規模のダンジョンも各地にある。貴重な武器や遺灰、アイテムなどを入手できるのでこちらもプレイヤーを強化していくうえで探索はかかせない。
特に鍛冶遺跡は率先して探索してほしいところ。
プレイ時間的にはどこまでスムーズに踏破できるかにもかかっているが、くまなく探索すれば50~60時間は遊べるのでは。注目のイベントやボスも待っているぞ。
【その他いろいろ】
・今回の敵は鍛石を頻繁にドロップする。
・「雫の幼生」は影の地でも入手できる。見た目はちょっと違う。
・追憶の複製ができる場所もあり。条件は狭間の地と一緒。
・NPCとの会話に選択肢あり。後々影響が出るケースも…。
・新しいタリスマンもいろいろある。「両手持ち強化」や「○○+3」も登場。
新しいタリスマンが増えたとはいえ、いつも3つは固定にしているので、残り自由枠が1つしかないのはもどかしかった…。
気になったものでは「バックステップを強化するが、被ダメージが増える」というタリスマン。「強化」が何を指すのかは詳しくわからなかったが、使ってみた感じだと無敵時間が追加されていると思われる。ということでバクステ主体で戦ってみたところ、やはり普段ほぼバクステを使わないこともあって根本的な立ち回りが難しかった…。回数後の派生技が使い武器種なら、使いこなせると戦術の幅が広がりそう?
『ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE』
ジャンル:アクションRPG
発売日:2024年6月21日(金)発売予定
対応機種:PlayStation5/PlayStation4/Xbox Series X|S/Xbox One(SMART DELIVERY対応) /Steam
プレイ人数:1人~4人 ※「闘技場」では最大6人での対戦に対応
レーティング:CERO D(17歳以上対象)
単体販売価格:4,400円(税込)
※『SHADOW OF THE ERDTREE』は追加コンテンツです。本製品をプレイするには、『ELDEN RING』本編が必要です。
※『SHADOW OF THE ERDTREE』を始めるには、『ELDEN RING』本編を進める必要があります。
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