ゲーム
2025/02/12 00:00

『モンスターハンターワイルズ』プレビュー:OBTから調整された開発バージョンでゲーム序盤などをプレイ。改善された武器種はどれもいい手触りに。

いよいよ2月28日の発売の迫ってきた『モンスターハンターワイルズ』。皆様もそわそわしているのではないでしょうか。今回はオープンベータテスト(以下OBT)からの調整点が反映された開発バージョンにて、ゲーム冒頭からウズ・トゥナ撃退までの序盤の範囲と、別で用意されたデータにてププロポルとネルスキュラの試遊を行った。

ゲーム序盤の試遊については昨年実施されたメディアツアーと同様の範囲になっているが(開発バージョンは異なる)、Vジャンプは参加していなかったため今回が範囲内初プレイとなる。そのため本記事では既出情報も含まれていると思うが、その点はご了承いただきたい。

※画面はPlayStation5版の開発中のものです。
※製品版とは異なる内容が含まれる場合があります。

OBTから様々な要素が改善され一層遊びやすく

オプションのパーフォーマンス設定は「解像度優先」「フレームレート優先」「バランス重視」の3つで、新たにバランス重視が追加。バランス重視かつ「120hz出力設定」をONにしている場合、フレームレートの固定設定で「40fpsで固定」を選べるようになる。

今回の試遊では一律「フレームレート優先」でプレイし、本記事内の画面写真も「フレームレート優先」の4K解像度出力で収録した動画から切り出したものである。

OBTでは「フレームレート優先」でも場所によって前後しやすく、グラフィックが全体的にジャギー(輪郭がギザギザになる状態)が出ているという不具合もあった。最新版ではこのあたりがまるっと改善され、レンダリングがきれいになり60fpsを安定して維持するように。さらにDay1アップデートではPlayStation5Pro用のエンハンスモードが追加される予定とのことで、PS5Proならば高い解像度で60fpsを維持してプレイできるだろう。

ヒットストップやSEも調整され、攻撃時の歯ごたえを感じられるようになった。肉質の柔らかい部位に攻撃するとSEが変化するようにもなり、こちらの音がなかなか爽快。グラフィック、フレームレート、SE部分だけでもOBTと比べてだいぶ印象が変わるはず。

フレームレート優先の場合、グラフィック部分はレンダリング解像度が1920×1080のため、モニターの出力解像度が4Kだと映像の違いは感じやすいかもしれない。とはいえ動いている画面だとそれほど気にならないかと思う。

HUDの武器固有情報(専用ゲージ類)はOBTよりもサイズが大きくなって視認しやすくなった。上の画像は「大」の状態で、「標準」でもOBTの「大」よりも大きい。OBTではゲージの確認でどうしても視点が動いてしまいやすかったので、こちらの改善も快適にプレイするうえでの影響力は大きい。

片手剣、ランス、スラッシュアックス、操虫棍、弓の変更点

昨年12月に配信された公式番組「コミュニティアップデート」や公式サイトで調整内容が発表された片手剣、ランス、スラッシュアックス、操虫棍、弓について、その調整内容と今回の試遊で触ってみて気づいた点を紹介。モーション速度やダメージ周りなど細かく比較していない部分もあるのと、他にも把握していない調整点もいろいろあるかもしれないのであらかじめご了承いただければ。

■片手剣
・各種攻撃の威力を強化
・斬り下ろし、横斬りなど△ボタン周りの移動を伴う攻撃とガード斬り、ジャストラッシュのレスポンスが向上
・ガード斬りから各種攻撃が派生可能になり、ジャストガードに対応
・ジャストラッシュは3段目の駆け上がり斬りで4ヒットするように
・ガード中に△+◯で斬り上げが復活
・滑り込み斬りとバックステップの無敵時間が増加

OBTではややもっさりと感じるレスポンスやガード中の斬り上げがなくなった点、バクステの無敵時間減少やジャストラッシュの威力が低いなど、全体的に性能が落ち込んだところがあった武器種。特に「直近のシリーズでできた技が出せない・テクニックができない」という部分は他の武器種も含めてOBTで意見が集まるところだった。

今回の調整により攻撃のスピード感が増し、素早く動き回りながら連撃を叩き込みやすくなっている。斬り下ろし→横切り→斜め斬り上げ→斜め斬り下ろしの踏み込みはだいぶ速くなった印象で、張り付き性能が高くなった。「太刀の赤刃斬りみたいな動きを片手剣でこそやりたかった」と思っていたら、結構それっぽくなったかもしれない。リズミカルに攻撃し続けられるので気持ちよさもあるかと。動画内で判断する限り、突進斬りからののけぞり無効(通称スーパーアーマー)時間も伸びている気がした。

ガード斬りは威力は低めなものの、発生も派生タイミングも早く、コンボの始動や差し込みに扱いやすい性能となった。ガード斬り中の出だしに攻撃を受けるとジャストガードも可能に。今まで扱いどころがほとんどなかったガード斬りが一気に活用できる機会が増えたのでは。
※一応『MHR:SB』でガード性能を盛ってパリィを狙うといった用途もなくはなかった。

ジャストラッシュの3段目の駆け上がり斬りはババコンガとドシャグマに4ヒットを確認。落下突きのように高さでヒット数が変動するかはわからず。溜め斬りからの駆け上がりは1ヒットのままで変わりなし。また、公式発表の内容にジャストラッシュのレスポンス向上が含まれていたが、体感的にはわかりづらかった。ただ動画を見返した際に2段目の盾攻撃のジャストだけ全部失敗していたので、受付時間が若干変わっている可能性はあるかも…? 単純にただの失敗だったらごめんなさい。

ガード斬り上げの復活は最初やったぜと思ったものの、案外使わなかった。手を止めずに攻撃しやすくなっているため一呼吸おくタイミングが少なくなったことと、△+◯より◯だけのほうが咄嗟の押しやすさも相まってガード斬りでもよさそうかなとも思った。ただ斬り上げのほうが少し威力は高い。このあたりはプレイスタイルとか今後の研究によりけりかも。

片手剣はゲージ周りのシステムがなく、集中モードなしでも位置調整や方向転換がしやすい武器種なので初心者におすすめしやすくなった気もした。派生アクションは多いが使用がマストではないあたり、やることを少しずつ増やしてみることで上達も感じやすいはず。慣れてくればバックステップの無敵時間での回避やジャストガードからの反撃斬りといったテクニックも組み込んでいける。

片手剣は白傷(傷口になる前の段階)に集中弱点攻撃を当てると過去作の穿ち斬りに似た技を繰り出すという特殊な仕様がある。白傷に集中弱点攻撃を当てるといくつかの武器種は「ダメージとヒット数が増加する」という仕様があるのだが、モーションが変わりヒット数も大きく増えるのは片手剣のみ。この白傷で変化するという要素はゲーム中で説明がないため、OBTでも気づきにくい要素だった。

他にも片手剣のみの仕様で、抜刀中の尻もちやふっとび後の起き上がり中に△or◯で「起き上がり斬り」という技が出せる。こちらはコマンドガイドにも表示されない真の隠し技(?)。OBTでも出せるので、気になった方はトレーニングルームで試してみてほしい。

■ランス
・R2+◯がパワーガードから溜めカウンター
・溜めカウンターは溜め中にガード判定があり、ガード中に攻撃を受けると突きで反撃する性能が加わり、従来のカウンター突きと同じ感覚で仕様できるようになった
・パワーガードはガードノックバック中や溜めカウンター中にR2+✕で発動
・パワーガード中のバフ効果(反撃時の威力アップ)はヒット数ではなく受けた攻撃の威力で判定されるように
・ジャストガードとパワーガードから△+◯が追撃突進から新技の「渾身返し突き」に差し替わった
・パワーガード中に攻撃を受けると渾身返し突きが「渾身返し突き【穿】」に強化
・追撃突進は渾身返し突き(【穿】)からの派生技に
・大返し突きは2ヒット技に
・渾身返し突き(【穿】)と大返し突きからは三段突きIIIor溜めカウンターに派生可能
・突進の加速までにかかる時間が短縮
・ジャストガードからの派生技にバフがかかるように
・ガードダッシュ発動時にガードを挟むことがなくなった

OBTで特に話題に上がりやすかった印象のあるランス。OBTの溜めカウンターは「中段or上段突きIIIからの派生技」かつ「相手の攻撃に合わせてボタンを離さないとカウンターが発動しない」という非常に扱いが難しい技であった。加えてジャストガードからの派生技である追撃突進は癖があり、大返し突きは威力のわりに隙が大きいというネックもあった。そのため「カウンター突きで捌いていく立ち回り」「ジャストガードから威力の高い反撃」といった魅力的な部分が失われてしまったという意見などが集まっていたように思う。また、今作のガンランスが理想的な性能に進化したこともあり、同じガード武器として比較にされやすかった。

調整版ではそのあたりの要素が改善され、ランスらしい強みが復活したのではないだろうか。技の差し替えと新技の追加で、調整された武器種の中でも特に変化点が大きい。OBTとはほぼ別物と見ていいかも。カウンター武器としてのポジションが強くなり、ガンランスと明確な差別化ができるようになったかと。パワーガードも「削りは受けてしまう代わりに、威力の高い反撃ができる」というわかりやすいメリットを獲得。ジャストガードと使い分けていける性能となった。

渾身返し突きは発動時に少し飛び退いて力を込めた後、飛び込み突きに似た技を放つ2ヒット技。威力はそこまで高くないが、三段突きなど派生先が強力。渾身返し突き【穿】はその上位版に位置し、飛び退いてから攻撃を出すまでが通常版よりも早く、3ヒット技となって威力もアップする。一旦飛び退く関係上攻撃発動まで若干間はあるが、そのぶん通りすぎずに当てやすい技だろう。大返し突きが火力と派生が強化されたこともあり、返し突き、大返し突き、渾身返し突き(【穿】)の反撃技3種を状況に応じて使い分けることができるのでは。

突進はOBTだと3秒ほどで加速段階に入っていたが、調整版では約2秒に短縮。中距離への接近がしやすくなり、フィニッシュ二段突きを当てる機会も増えるだろう。納刀する間もなく攻撃を叩き込んでいきやすい武器種に仕上がっている。

この攻めの強さと、ガードによる安定力から初見のモンスターへの対処は得意な部類かと思う。特にパワーガードで様子見しつつの反撃が便利。ただランスは“点”での攻撃が主体なことから、しっかり弱点部位に攻撃し続けようとすると集中モードの照準操作が重要かもしれない。そこも考慮すると操作難度は少し高めではあるだろうか。

■スラッシュアックス
・各種攻撃の威力が強化
・剣→斧に変形する攻撃時にスラッシュゲージが回復するように
・回避からの剣:変形斬りで集中モードなしでも360度方向転換できる仕様が復活
・フルリリーススラッシュに完全のけぞり無効効果を追加、威力が大幅に強化
・剣:カウンター斬り上げのカウンター成功時のダメージ軽減率が上昇、さらにジャスト判定が追加
・ジャストカウンター成功時時はダメージ軽減率が上昇(=被ダメージ減少)
・咆哮もカウンターが可能に
・リロード中に回避でキャンセルが可能に

OBTでは「動きが重いわりに火力が低い」「スラッシュゲージの管理がだいぶシビア」「貴重なカウンター技はあるものの、成功しても被ダメージが大きい」と性能的に苦しいものがあった。『MHR:SB』では非常に扱いやすく優れた武器種だったため、そのギャップに悩んだ使い手も少なくなかったのではないかと思う。

今回の調整でOBTでの目立った問題点は全体的に改善された傾向。剣:変形斬り系を交えていくことでスラッシュゲージに余裕ができやすくなったのと、カウンターの被ダメージが下がったことでだいぶ立ち回りやすくなった印象は受けた。

カウンター斬り上げの出だしで攻撃を受けるとジャスト判定となり、被ダメージがさらに減少する(成功時はSEとエフェクトが変化)。試遊内容で判断するとカウンター成功時は1/3に軽減、ジャスト時は1/10くらいに軽減していた。ジャストだとだいぶ軽減されるので、うまくいなしていけば残り体力をあまり気にしなくて済みそう。直接カウンター技を出せる強みを活かしやすくなっただろう。

ちなみに今作ではカウンター技(否相殺攻撃)を使用できるのは太刀、ランス、スラアクの3種。OBTで直接カウンター技が出せるのはスラアクのみだったが、今回の調整によりランスも出せるようになった。カウンター技と相殺攻撃を両方持つのはスラアクだけ。

リロード中に回避ができるようになったのはシリーズ初かも。スラッシュゲージがないときに変形斬りの手癖で意図せずリロードしてしまうことはスラアクあるあるだったので、それをフォローできるようになったのはありがたい。

火力部分としては右斬り上げと左斬り上げのダメージが特に上がっていた。ダメージ優先か高出力ゲージ上昇優先かでコンボも変えていけそう? 

攻撃力90 縦斬り:29+10=39 右斬り上げ:37+10=47 左斬り上げ:42+10=52 二連斬り:23+10+19+10=62 飛天連撃:21+10+31+10=71 変形二連斬り:37+22=59  フルリリーススラッシュ:44+17*3+72+31*5=322

フルリリーススラッシュのダメージも上がり完全のけぞり無効効果(通称ハイパーアーマー)も付いたことで大技感もアップ。アーマーのダメージ軽減率は試遊内容で判断すると50%に見えた。ダメージ効率を求めた際にアーマー効果を活かしてフルリリーススラッシュを強引にでも狙っていたほうがいいのかは気になるところ。ただ発動前に時間がかかるので、試遊では1~2撃目のどちらかしか当たらないという状況は何度かあった。

もし「大技を積極的に狙っていく」というスタイルが中心になるなら、これまでのチャージアックスに近いような印象も受ける。逆にチャージアックスはOBTの段階では斧強化の追撃でひたすらガリガリするのが強かったため、これまでと剣斧と盾斧のスタイルが逆になったような印象も(『MHW:IB』も斧主体だったが)。シリーズを通してスラッシュアックスは結構立ち回りの変化が大きい武器種でもある。

あとはスキルの高速変形Lv3が発動できれば使い勝手もだいぶ変わってくるはず。

相殺斬り上げは特に変化なしかも。個人的にいつか飛翔竜剣の復活待ってます。双剣の集中弱点攻撃を見ていると、飛翔竜剣もフックスリンガーで再現できそうなのでは…!?と思ってしまう。あれがないと零距離解放突きが使えない体になってしまったんだ…!

■操虫棍
・ジャンプ突進斬りの舞踏跳躍が復活し、跳躍ごとに2段階までジャンプ攻撃の威力が上昇
・急襲斬りの出始めに相殺判定が追加
・橙エキスの効果が抜刀時のけぞり無効に
・トリプルアップの効果に風圧・振動・咆哮を軽減する効果が追加

舞踏跳躍が復活したことで空中での立ち回りのバリエーションが増加。例えばOBTだと飛天螺旋斬で猟虫が採取したエキスは着地してから回収するくらいのタイミングだったが(これは猟虫の速度が遅い影響もあるだろう)、飛天螺旋斬→ジャンプ突進斬り→舞踏跳躍とすれば空中でエキスが回収できるようになった。赤エキスを回収すれば、舞踏跳躍後に急襲突きが間に合う。

トリプルアップの金剛体効果も復活。ただ「軽減」なので【小】まで無効化の可能性がある。試遊ではジャンプ中にドシャグマの咆哮を受けたら落とされてしまった。

急襲斬りの相殺判定は恐らく出だしの横回転攻撃時。縦回転攻撃時には相殺判定はなくなっていると思われる。強化版だと2回横斬りを行うが、2回とも判定あるかはわからず(強化版で成功したときも1回転目だった)。ボタンを離してから判定が出るまで若干間があるのと、判定が出ている時間が短いため狙って相殺させるのは難しかった。スラッシュアックスの斧:相殺斬り上げもそうだが、「発動までに間があって判定時間が短い」系は結構慣れがいる。ただコンボでよく使用する技でもあるので、偶発的な発動も狙えるのではないだろうか。

急襲斬り・急襲突きの◯ボタン長押し操作については、事前に発表があったように変更なし。「長押しして溜めが完了しないと攻撃自体が出ない」という多分シリーズ初の仕様で、使い方的に「別の動作中に溜めておく」といった操作が必要になる。集中モードの併用も考えるとこの操作難度が高く、使い手からは「溜め操作を排除してほしい」や「せめてボタン配置を変えてほしい」といった意見が見受けられた印象。

例えば「Rスティックで集中モードの照準移動+◯長押し+△で攻撃」を同時操作しようとすると、背面ボタンかモーションコントローラー操作を利用しないと指の配置が困難である。操虫棍は集中モードで猟虫同時攻撃を行えることもあり、集中モードの利点は高い方の武器種。
※他にも照準操作と併用がしづらい△長押しの猟虫溜め、R1+R2の空中印弾といった独特な操作がある。

また、単純な操作だけでなく、溜めると◯ボタンの操作が使えなくなることから「いつ溜め始めるか」といった考えることが増える部分も難しくなった点。急襲斬りはダメージの高さや飛天螺旋斬に繋がる重要アクションということもあって使わないという選択肢もほぼないと思う。エキス全消費となる飛天螺旋斬の使いどころ含めて、今作は「対応力は高いが、いろいろやろうとすると難度が高い武器種」になったかもしれない。そのぶん立ち回りの幅が増え、研究の余地が多い武器種になったということでもある。

個人的に強化突きが戻らないかな~と希望していたが、さすがにそこは変更なしだった。これまで強化突きによる差し込みやコンボ始動をすることが多かったので、今回移動斬りに差し替わったことによる変化点も難しいポイントだと思った。

■弓
・全体的に攻撃の威力とレスポンスが向上
・クイックショット、剛射の広がりが狭くなった?
・剛射が照準方向を中心として発射するようになった
・曲射のスタミナ消費量が大きく減少し、矢が降り注いでいる時間も減少
・導ノ矢の威力を緩和(誘導率が下がった?)
・集中弱点攻撃で複数の傷をまとめてロックオンするのではなく、傷を順次ロックオンして破壊する形に変更
・ビンのセット数が10本に(接撃ビン)

使用時間が短かったので曖昧な部分が多くてすいません。

導ノ矢(しるべのや)は刺した場所に矢を追尾させるという技。OBTでは導ノ矢の効果が非常に高く、狙いたい部位に導ノ矢さえ当てればエイムも距離感もわりと無視できるという代物であった。効率よくダメージを与えるという点では導ノ矢の依存度が高すぎてしまい(むしろ使わないと満足なダメージが与えにくかった)、「手軽に高火力を出せてしまう」「導ノ矢を当て続けていく必要があるためテンポ感が削がれてしまう」という使用感が出てしまっていたのだ。そのため調整版では導ノ矢によるダメージソースの偏りを緩和し、通常の立ち回りを強化する方向性となった。

射撃→剛射の派生は目に見えて早くなり、『MHR:SB』かそれ以上の連射速度で叩き込めるように。見切り避けからの発射もレスポンスが向上している。
曲射はスタミナ消費量が激減してほぼ消費がないも同然になったが、矢が降っている時間も減少。OBTだと溜め3で降り始めから降り終わりまで約5秒だったところ、今回のVerでは約2秒まで短縮していた。とは言えどのみち5秒間当て続けられる状況も限られていたし、マルチプレイで味方に剣士がいる場合視界を覆いやすい点からあまり使用しないほうがいいかなとは感じる部分もあったので、短縮自体は問題なさそうに思えた。

剛射は5本の矢の真ん中の矢が照準地点を目指して飛ぶようになっていた。OBTだと右から2番目の矢が照準へ向かうくらいの発射角度で、全体的に少し左にずれて当たる傾向だった(試遊の後でOBTの動画を見直して気付いた)。試遊中に剛射がヒットさせやすくなった気がすると思ったのはこのためかもしれない。

OBTの時と比較して導ノ矢は追尾の挙動が変わったのか刺さった場所へ誘導しにくくなったように思ったのだが、モンスターが違うこともあって確信は持てない…。別のクエストでも弓を使っておけばよかった~と反省。ひとまず導ノ矢の性能自体は緩和されたとのことで、使用がマストではなくなってるといいかなと思う。

集中弱点攻撃はOBTだと複数の傷を一度でまとめてロックオンしていたが、時間経過で1つずつロックオンしていく形に変更。OBTだとマルチプレイで使うと味方が集中弱点攻撃を使う機会を減らしてしまうという問題あったが、これでソロでもマルチでも気軽に使えるようになった。なお、傷口はまとめて破壊するほど破壊時のダメージが上昇していくという仕組みがある。

手数が増えたぶんスタミナ消費が激しくなったこともあり、スキルの体術やスタミナ急速回復が揃ってくるまではどうやってスタミナ管理をしていくかがキモになるかも。

あと今回の溜め段階が上がる法則性が最初よくわかっていなかったのだが、「溜めが入る行動(R2長押し)」をしないと上がらないのかもしれない。例えばニュートラルの状態からLスティック+L2+✕で溜め行動を挟まずチャージステップを即出しできるが、この方法だと溜め段階が上がらず、一瞬R2で溜めを挟んでからチャージステップを出すことで溜め段階が上昇する。

:チャージステップorクイックショット→発射→剛射(ここまで溜め1)→溜め射ち(ここで溜め2)→チャージステップ(ここで溜め3)

今作では剛射や剛連射では溜め段階は上がらない。派生からチャージステップを出すと多分溜め段階は上がる。

★そのほかの武器種
■大剣
OBTよりも真・溜め斬りの威力が上昇していた。攻撃力90でタルパンチャー相手に溜め斬りで121、強溜め斬りで133、真・溜め斬りで12+182。OBTだと強溜め斬りよりちょっと強いくらいだったので大きく向上した。

真・溜め斬りから相殺斬り上げに繋げられるのをトレーニングルームで触って初めて知った。大剣の相殺斬り上げは相殺判定の持続が長いため、他の武器種に比べてダントツで相殺が取りやすい。

■狩猟笛
狩猟笛はOBTよりも抜刀状態の移動速度が上昇。響玉の回避性能&移動速度UP効果を合わせれば抜刀状態のままでも素早く動き回れる。

メイン武器とサブ武器の両方に狩猟笛を装備した場合、メインとサブで同じバフ系の旋律効果があれば、どちらかでその効果を演奏することで武器を持ち替えてもその旋律がそのまま重ね掛け効果含めて発動している状態になる。また、武器を持ち替えた際に以下のような状況が発生することもあった。

自分強化・攻撃力UP【小】聴覚保護【小】が発動している状態のメインから
自分強化・攻撃力UP【小】・火属性防御強化【小】が発動しているサブに持ち替え
③サブで自分強化だけ演奏したあとにメインに持ち替え(重ね掛けはしていない)
自分強化・攻撃力UP【小】・聴覚保護【小】になり、聴覚保護が自動的に重ね掛け状態に
紫色が重ね掛け中の旋律効果

聴覚保護【小】と火属性防御強化【小】が同じ3番目の旋律であるので、同じ位置にある旋律効果のどちらかが重ね掛け状態だと、武器を替えた際に重ね掛け状態扱いになったのだろうか…?
狩猟笛と別の武器種を装備した場合だと、別の武器種に持ち替えた際に重ね掛け効果は切れる模様。

L1ボタンを押している間は、体力ゲージの上にあるステータスアイコンに残り効果時間が円ゲージで表示され、残り時間が19秒になると数字でカウントされるようになる。アイコン自体は小さいが、旋律が切れそうなタイミングを判断しやすい。

■チャージアックス
使用感は特に変わらなかった印象。ビン溜まるのが速い…?と思ったけど気のせいな可能性も高い。
斧強化中の追撃の長押し操作や、攻撃中に発生するガード判定(通称GP)で攻撃を防いでもジャストガードにならない点も変化なし。

トレーニングモード 攻撃力90 盾強化中 解放斬りI 44+10 解放斬りII 29+10+48+10 高出力 54+13*2 追撃高出力 59+13*3 超高出力 69+29+24*n

■ボウガン
ボウガンは装着する強化パーツによって装填可能な弾の数やLvを調整できるほか、特殊弾の変更も可能。強化パーツは2つ装着ができ、1枠目か2枠目のみで付けられるパーツもあり。

●ライトボウガン
強化パーツ1:通常弾追加弾倉/貫通弾追加弾倉/散弾追加弾倉/属性弾追加弾倉
強化パーツ2:通常弾追加弾倉/貫通弾追加弾倉/散弾追加弾倉/速射専用追加弾倉/特殊弾専用追加弾倉
特殊弾:起爆竜弾/圧着竜弾

ライトボウガンの強化パーツはすべて装填数を増やす効果の「追加弾倉」であった。このシステムを考慮すると今作ではスキル「装填拡張」はなさそうに思う。
特殊弾は2つから選択。圧着竜弾はモンスターに吸着する弾を発射し、吸着箇所に攻撃を与え続けると爆発時のダメージを大きくすることができる。

●ヘビィボウガン
強化パーツ1:通常弾追加弾倉/貫通弾追加弾倉/散弾追加弾倉/属性弾追加弾倉
強化パーツ2:通常弾追加弾倉/貫通弾追加弾倉/散弾追加弾倉/増強パーツ・通常モード/竜熱回復強化パーツ
特殊弾1:竜熱機関竜弾/竜熱穿甲弾
特殊弾2:竜熱相殺弾/竜熱擲弾

強化パーツの1枠目はライトボウガンと同様の種類。2枠目の「増強パーツ・通常モード」はボウガンの性能を通常モードに特化させる効果。特化型というのがどういう効果かは未確認。「竜熱回復強化パーツ」は竜熱ゲージの回復速度を強化する。

ヘビィボウガンには「竜熱ゲージ回復効率」と「◯◯型」の項目があり、初期武器の場合は竜熱回復強化パーツを装着すると竜熱ゲージ回復効率がLv2からLv3に上昇し、増強パーツ・通常モードを装着すると「通常/竜熱モード基本型」から「通常モード特化型I」に変化する。
増強パーツ・通常モードの説明欄には「すでに同じタイプの場合、レベルを強化します」と書かれているので、デフォルトが「通常モード特化型I」の武器の場合はパーツを装着することで「特化型II」に強化されるのだろう。

特殊弾1は竜熱モード中にR2ボタンの攻撃、特殊弾2は△ボタンの攻撃となる。

竜熱擲弾は前方に放物線状に飛ぶ弾を2発左右に同時発射したあと、それぞれが3つの小爆弾に分かれて落下していく(最高6ヒット)。射程距離は長くないが、肉質無視ダメージで広めの範囲を攻撃できる。
竜熱穿甲弾はゆっくり進む貫通弾で、ヒット数が増えるほど威力が上昇していく。性質上、体の長いモンスターに有効。

といったように同じ武器でもモンスターによってボウガンをカスタマイズしながら挑めるようになった。過去作と比べてやることも増えて面白さが増したかと思う。

それでは続いてOBTでは体験できなかった範囲の要素について。

ベースキャンプの施設

今作ではセーブデータ選択時にロビーを選択するシステム。ロビーは最大100人入ることができ、各地のベースキャンプでは同じロビーにいるプレイヤーのうち最大16人まで表示される。「プライベートロビー」でロビーを自分で立てられるほか、「ソロオンライン」でベースキャンプに他のプレイヤーを表示させずにプレイも可能(救難信号でプレイヤーを呼ぶことはできる)。

■マイテント
ハンターとオトモの装備変更やアイテムの入れ替えなど、狩猟の準備を行う場所。OBTで利用できなかったキャンプメニューとしては「BGMの変更」と、身だしなみメニュー内に「ハンター装備の見た目設定」「オトモ装備の見た目設定」が加わっていた。

「BGMの変更」でキャンプ内と周辺に流れるBGMを、聞いたことのあるBGMの中から変更ができる。

見た目設定は重ね着装備、アンダーウェア、チャームの表示切り替えができる。防具を装備していてもアンダーウェアを表示できるのは新しい要素だ。重ね着は上位防具生産時から解禁されるようだ。

■トレーニングエリア
OBT2でも利用できた練習施設。OBT2にはなかった部分として、設定項目に「ネコ式訓練タルパンチャーの強さ」と「特定スキルの効果確認」の2つを確認できた。前者は★1~7まで選択可能で、後者は試遊した範囲では選択不可。名称の通りスキルが解禁されてから利用できる項目だろうか。

トレーニングエリアでは画面右上の操作ガイドに派生可能な攻撃が恐らくすべて表示される。狩猟中の右上にもコマンドは表示されるが、派生先がすべて表示されない場合もあるので一通り確認できるのは便利。

■加工屋
ハンターとオトモの装備を生産・強化できる場所。今作ではゲームを進めると「おすすめ装備」の項目が追加され、進行状況に適した生産可能な武器・防具を一覧でチェックできるようになった。

今作では武器にスキルが発動しており、武器に付与するものは「火力に関するスキル(攻撃や見切りなど)」や「特定の武器種のみ効果を発揮するスキル(ガード性能や集中など)」の傾向になっており、防具には汎用的な補助スキルが付与する傾向の模様。

武器に付くスキルの系統が防具に一切付かないのかはまだわからないが、今回試遊した序盤の範囲では攻撃系や固有系のスキルは一切防具に付いていなかった。

そのため今回は武器の攻撃力や斬れ味といった性能だけでなく、スキルを優先する選択肢も増えた。

おすすめ装備の武器種は現在装備している武器種が選ばれる。どの装備を作るか迷ったら、ひとまずここから選んでみてもよさそうだ。

今作ではモンスターを狩猟した際に「◯◯の狩猟証」というアイテムが入手でき、部位によってはその狩猟書が必要な場合もあった。全体的に生産に必要な素材数が少なめで、あまり数をこなさなくても生産していきやすいかもしれない。なお、試遊した範囲では装飾品や護石は確認できなかった。

オトモ装備の生産は端材ではなく直接素材を消費。生産時の演出で見られるオトモがわくわくしている姿がとてもかわいいぞ!

猟虫は素材を消費して育成する形に。試遊範囲ではまだ強化することができなかった。猟虫のスピード上げたい!

★武器係数の使用有無をオプションから選択可能に
オプションに「武器攻撃力の表示形式」の項目が追加され、「武器係数を使用する・使用しない」の有無を選択できるようになっている。OBT1では係数を使用しない状態、OBT2では係数を使用する状態になっていたが、製品版では好みで選べるようになった。

武器係数を使用すると『MHW』などのように「武器の基礎攻撃力に対して武器種ごとの固有の係数をかけた値」で表示。武器係数は一撃の威力が高い武器ほど大きく設定されている。例えば基礎攻撃力90で武器係数ありだと大剣は432、スラッシュアックスは315、チャージアックスは324となっていたので、これらの武器係数は『MHW』と同様の数値。

使用しない場合、基礎攻撃力がそのまま表示されるため、攻撃力の上昇値や他武器種間で攻撃力を比較した際にわかりやすくなる。『MHRise』の形式の方が好みなプレイヤーは「使用しない」に設定しておくといいだろう。

武器係数を使用しないで表示にしても、属性値の数値は変わらなかった。『MHW』などでは属性値が実数値より一律10倍で表記される仕組みだったので、今作はそちらで統一されているのかも。例えば『MHW』で属性値100は、『MHRise』では属性値10となる。

■簡易キャンプの親方
簡易キャンプの設営はベースキャンプにいる簡易キャンプの親方から設営・撤去・修復やテントのカスタマイズが行える。

簡易キャンプが設置できる場所は危険度が設定されており、危険度が高いほどモンスターに破壊されやすくなる。破壊されたキャンプは一定時間経過で修復されるが、ギルドポイントを使って即座に修復も可能。

「簡易キャンプの編集」から簡易キャンプのカラーやペイントの設定や、「キャンプギア」という簡易キャンプ周辺に配置できるオブジェクトの選択ができる。

OBTの冒頭のみで利用できた、トレーニング用タルもキャンプギアから設置可能。

★簡易キャンプの職人にカーソルが合わなくなった
簡易キャンプのそばにいる「簡易キャンプの職人」に話しかけることでも簡易キャンプの撤去・修復が行える。OBTでは全域マップから簡易キャンプにカーソルを合わせようとする際、職人の方にカーソルが吸われてしまいファストトラベルがスムーズにしづらかったのだが、今回のバージョンでは職人にカーソル自体が合わないように改善されていた。

簡易キャンプの職人のアイコンはそのまま残っているが、カーソルは合わないようになっている。

マップから直接キャンプを指定する以外にも、全域マップ画面で方向キーの左右を押すとファストトラベル先の一覧が表示できるので、こちらを利用するのもスムーズ。

■物質補給所
消費アイテムを購入できる場所。今作はボウガンごとに撃てる物理弾が固定・弾数無制限で使用できるので、物理弾は販売していない。

■食料配給所
スタミナの回復や焚き火料理に使用する携帯食料を受け取れる場所。1クエストごとか時間経過で受け取れるシステムかもしれない。たまっていたぶんもまとめて受け取ることができる。

シームレスなストーリー進行

OBTでゲーム序盤の一部を体験できたように、目的地へ向かいながらイベントやクエストが発生するなど、今までのモンハンと大きく異なったシームレスなストーリー進行になっている。今作はフィールドが地続きにつながっていることからも、オープンワールドゲームをプレイしている印象にも近かった。

これまでのモンハンだと会話やイベントシーンの発生タイミングはだいたい決まっていたが、今回は道中でイベントやクエストが発生することから、どんな展開が起きるのかという楽しみもあるかと思う。

本作はチャプター制で物語が進んでいく。今回試遊した範囲はChapter1-5まで。ミッションクリア時は素材アイテムのほか、ハンタープロフィール(これまでのギルドカード)に使える報酬が手に入る。HRは区切りごとに上がっていくようで、Chapter1-4クリア時でHR3であった。

現在の目的は画面右側に表示。中には「任意」と表示される達成しなくても進行自体に影響はない目的もある。

一度発生したイベントシーンはタイトル画面の「Gallery」から鑑賞可能。今回の試遊では時間の都合上大半のイベントシーンや会話をスキップしてしたので、製品版で見るのが楽しみである。

徒歩やセクレトに乗って「◯◯へ向かう」といった展開を挟んで新しい場所へと踏み入れていく。今回はハンター、オトモ、アルマでの3人旅という側面が強く見え、アルマだけでなく主人公やオトモアイルーもよく喋ってくれる。

目新しさと懐かしさも感じられるモンスターたち

現在発表されている登場モンスターは新規や『MHXX』ぶりとなる復活モンスターが中心で、直近に登場したモンスターは少なめ。『MHR:SB』に登場して今作も登場するのは現段階ではリオレウス、リオレイア、ゴア・マガラの3体のみ。序盤に出会えるのも新規モンスターが中心である。

オプションなどから確認できるモンスター図鑑。『MHRise』ではモンスターの肉質や素材の入手確率を数値で見ることができたが、今作では☆マークの数で表示されれるようになっていた。

以下、OBTで遭遇できるモンスターを除いた、序盤の試遊で対峙したモンスターについて紹介。

■炎尾竜 ケマトリス
長く発達した尻尾を持つ獣竜種。体を揺らして引火物質を撒いたあとに、尻尾で火花を起こして爆発させる攻撃方法が特徴。獣竜種+尻尾攻撃+火ということで、ディノバルドを彷彿ともさせる。
引火物質を撒く動作を攻撃かと思って反応してしまうと、そのあとの炎上攻撃を受けてしまいやすいという「予備動作にひっかかる」というモンハンあるある(と思っている)を体感できるモンスター。

顔と尻尾が鶏のようなフォルムなので最初は鳥竜種かとも思ったが、肉付きを見るとしっかり獣竜種らしさがある。

地面に向け行う素早い頭突きや、勢いよく突っ込んでくる噛みつき、尻尾による発火攻撃とわかりやすく小~大技が揃っている。

■刺花蜘蛛 ラバナ・バリナ
綿毛に覆われた鋏角種。腹部を展開すると大きな花のような姿に見える。ステップを踏むようにクルクルと動き回り、その際に綿毛を撒き散らしてくることがある。この綿毛に触れると麻痺が蓄積し、蓄積値が最大になると麻痺状態になってしまう。綿毛のほか、尻尾で素早く針を刺す攻撃でも麻痺が蓄積される。
全体的に動きが素早いので捉えづらく、追いかけようとした際に綿毛に引っかかってしまうなど攻撃の止めどころや距離感の大切さを思い知らされる相手。

同じ鋏角種のネルスキュラやヤツカダキと違って、ラバラバリナは眼が丸い形ではなく、蜂の眼のようなラッパ状になっている。脚が禍々しい武器や鎧のようでもあるので、蜘蛛が苦手な人でも受け入れやすい外見かも。

爪の引っかきや、尻尾の突き刺しがスピーディーな攻撃のため不意に当たってしまいやすかった。操虫棍でエキス取るのにめちゃくちゃ戸惑ったこともあって序盤の中では苦労したモンスターである。

■桃毛獣 ババコンガ
『MHXX』ぶりの登場となる牙獣種。序盤の試遊範囲で出会った中では唯一の復活モンスターであった。悪臭ブレス、放屁、フン投げと悪臭効果を持つ攻撃と、食べたキノコによってブレスの効果が変化するのが特徴。のしかかり、連続ひっかきなど過去作でおなじみの攻撃もあって懐かしい記憶が蘇る。
比較的予備動作がわかりやすく、相手の行動後の隙やキノコを食べている間などこちらの攻撃チャンスが掴みやすいのもあって、序盤でほどよく攻防感の練習をしたい際にちょうどいいモンスターかとも思った。

ババコンガとの狩猟エリアはコンガも多く生息しており、結構な乱戦状態が続いていた。

ババコンガは体力が少なるとトリュフを掘り出して食べる行動をとる。トリュフを食べたあとは、各キノコを食べたときに使えるブレスがすべて使用可能になるようだ。食べるのを阻止することができると、焚き火料理に使用できる食材を拾うことができる。

■波衣竜 ウズ・トゥナ
緋の森の頂上に君臨する海竜種。水分をヴェール状に変化させて身を守っており、攻撃時は波を起こしてプレイヤーを押し流してくる場合もある。ブレス系など遠距離攻撃は使用せず、巨体を活かした肉弾戦に特化している。攻撃動作自体は鈍重であるが、水面を滑るように移動するため素早い行動も。また、ウズ・トゥナの出現時は環境が集中豪雨のため、レ・ダウのように視界が悪い状況で挑むことになる。

ヴェールへ攻撃すると盾のようなアイコンとダメージ数字が青く変化する。この時の攻撃はダメージを軽減されるが、ある程度攻撃するとヴェールを破壊ができる。破壊できる部位は細かく分かれており、ある程度破壊する全部のヴェールが剥がれてダウンする? 

ヴェールが剥がれると弱体化状態なり、しばらくすると再びヴェールを纏う。ヴェールを破壊して弱体化を狙うか、それとも本体を集中的に狙うかといった選択肢がある。

ウズ・トゥナと初対面となるクエストは撃退が目的。このクエストでは最初からオリヴィアが同行している。本来サポートハンターが2名いるとオトモアイルーはキャンプに戻るが、この時のオリヴィアはカウントされていないようで、サポートハンターがオリヴィアいれて3名の時にオトモが離脱した。

OBTではモンスターがエリア移動して少ししかたってないのにまたエリア移動…といった行動も目立っていたが、そちらは不具合だったようで改善されているのは確認できた。ただ公式配信でも話していたが、モンスターの巣が遠い場合、瀕死になった際などに長距離を移動するというのはどうしても起きることがある。今回の試遊でもドシャグマが80秒ほどエリア移動を続ける場面があった。場合によっては落石や閃光弾で移動を阻止するのも引き続きテクニックのひとつ。

続いて試遊用の別のデータでプレイしたププロポルとネルスキュラについて。

■沼噴竜(しょうふんりゅう) ププロポル
油泥が深く堆積した場所を根城とする獣竜種。舌先から毒性のガスを撒き散らし、尻尾の先端から地中にガスを注入して爆発させる。

出現場所は油涌き谷。時期によって地から油泥が涌き、堆積するフィールド。ププロポルは蚊のような顔つきに長い嘴、鎌状の前脚、膨れ上がった器官など、まるで複数のモンスターが組み合わさったかのような異質な外見。最初は鳥竜種のようにも思えた。

尻尾から地中にガスを注入する動作のあと、地面からガスが噴出して爆発が起きる。周囲に複数爆発させるものから、ハンターがいる現在位置に爆発が起きるパターンもあるのでどの場所にいても油断ができない。ケマトリスのように、尻尾を注入するときの予備動作で攻撃かと思って反応しがち。

ププロポルが毒を吐く時に頭部が弱点となっていた。露出時間は短め。

こちらも特徴的な見た目を持つ、小型モンスターのクラノダス。こちらも形容しがたいクリチャーっぽい見た目で、頭部に硬そうな甲殻が付いた器官がある。

ゼレドロンがププロポルの頭に飛びかかって張り付くと、頭部の器官を閉じた状態にしてハンマーのように頭突きをお見舞いする場面が見られた。気絶値が高い攻撃のようで、これを受けたププロポルは気絶。ハンターによってメリットが大きい争いである。

膨れている部位にある程度攻撃を加えると、ガスが抜けたかのようにしぼんだ状態に。全身がしぼむと印象は大きく変わり、弱々しくも見える。尻尾がしぼんだ状態でもガス爆発攻撃は使ってきたが、広範囲に及ぶ爆発は使ってこないなどの弱体要素はありそうだ。しばらく経過するとガスを充填し始めて再び膨れた状態になる。

油泥が深くなっている場所では、足を取られて移動速度が低下してしまう模様。

■影蜘蛛 ネルスキュラ
『MH4』で初登場した鋏角種。ネルスキュラはゲリョスを捕食対象としており、狩ったゲリョスの皮を体に纏うことで自身の雷弱点を弱点を克服しているという賢いモンスター。ゲリョスと縁が深いこともあって、第2回OBTの告知と合わせてゲリョスの復活が発表された際には「ネルスキュラも復活するのでは?」とユーザーから予想がされていた。ゲリョス視点で見ると自身が餌となることが確定するため悲しい事態である。PV第6弾ではネルスキュラが糸でゲリョスをぐるぐる巻きにしているところで、ゲリョスが閃光で間一髪反撃するといった縄張り争いの一幕のようなシーンが見られた。

ちなみにネルスキュラは当時海外から人気が高いモンスターだったようで、それが『MHRise』で同じ鋏角種のヤツカタギが作られた理由のひとつとなっている。

出現するフィールドは「氷霧の断崖」。名前の通り今作の寒冷地フィールドとなる。寒冷地に虫系の大型モンスターが登場するのはシリーズ初なので、この地にネルスキュラが生息しているというのは意外なところであった。

氷霧の断崖では甲虫種の小型モンスターでおなじみのランゴスタも生息していた。過去作でも火山や雪山に生息しており、環境の適応力がとても高い生物である。現実世界の昆虫は変温動物なので低温や高温に弱い。

今回試遊したネルスキュラのクエストは異常気象の「吹雪」となっていたのだが、洞窟内であるためか吹雪いてはおらず、ホットドリンク効果も必要なさそうだった(未使用時でも特にスタミナアイコンやハンターの挙動が変化しなかった)。このフィールド全体でホットドリンクが必要というわけではなく、寒さが激しいエリアでは温暖効果が有効になるのだろう。

なお、今回のププロポルとネルスキュラの試遊では狩猟から外れた行為はNGだったため、フィールドの探索は意図的に行っていない。

ネルスキュラの背中には毒成分を持つ棘が生えており、これは餌となったゲリョスの毒を取り込んで作られたものという設定。過去作で天井からぶら下がって毒液を垂らす行動が見られたが、その方法で鍾乳洞のように時間をかけて棘を生成しているようだ。エリアのところどころには「毒液の結晶」というスリンガー弾として使える採取物あり、これが棘を作る過程で垂らしていた毒液なのだろう。現実世界だとフグの毒が食物繊維により蓄積されているものだと言われてる。

ネルスキュラのいたエリア5は蜘蛛の糸がはびこっており、天井から糸でぐるぐる巻きにされて吊るされたゲリョスの死骸も見られた。さらにネルスキュラベビーという新たな小型モンスターが多数生息。名前の通りネルスキュラの幼体だろうか。

ネルスキュラベビーは集団でじわじわとこちらに近づき、飛びかかって攻撃してくることがある。幸い体力は低いようで剣士ならネルスキュラを攻撃する過程でまとめて散らしやすいが、逆に巻き込みにくいガンナーだとなかなか厄介な存在かもしれない。ただ、ネルスキュラの攻撃に巻き込まれて勝手にやられていく様も度々見かけられた。悲しいね。

小型の蜘蛛ということで見た目が苦手な人もいるかもしれない。その場合オプションで「蜘蛛恐怖症対策モード」をONにしておけばブブラチカのようにスライム姿にできる。自分も蜘蛛が苦手なタイプだが、ネルスキュラベビーは意外と大丈夫だった。脚が少し太くて鋭利な形状だからかな…。どちらかというとそのまんまでかい虫なランゴスタのほうが見ていてブルブルする。なお、ランゴスタはスライムにならない。

ネルスキュラの口の左右にある器官が種族名にもなっている鋏角で、これを長く伸ばして挟み込むようにしてハンターに襲いかかる。

毒状態も付与してくる強力な攻撃であるが、攻撃後の硬直中は鋏角が弱点(集中弱点攻撃を当てられる部位)となる。ネルスキュラはピョンピョン動き回る行動が多く捉えづらい相手であるが、この時は反撃チャンスにも繋げやすいだろう。

エリア4では糸が床になっており、ここでも吊るされたゲリョスの死骸があった。『MH4』に登場した地底洞窟のエリア5を思い出させる場所である。

このエリアでは床下に潜ったあと、下から鋏角で挟んでくる攻撃も行ってきた。試遊では潜っている間も攻撃していたら、出てくる時の爪に弾かれてしまい、そのまま鋏角の攻撃を受けてしまうという事態に。爪は肉質が硬いため、不意に弾かれてしまうのが危険なのである。

天井に張り付いて拘束糸を飛ばしてきたり、スイングしながら落下する攻撃など、糸を使ったトリッキーな行動を多用する。

このエリアのように床が網目状になっている「絡まれ床」では、モンスターがダウンすると床に体がからまってダウン時間が延長される。ネルスキュラの行動が増えるエリアであるが、こちらのチャンスに繋げられるエリアでもあるのだ。

レポートは以上。今作ではシステムや進行周りのガイドがしっかりしており、モンスターもプレイした範囲ではゴリゴリに強いというわけではなくチャンスタイムが把握しやすいので(ドシャグマは例外的に強いかも)、シリーズ初心者でもプレイしやすそうだと感じた。とりあえずセクレトに乗っていれば安全に立て直しがしやすいし、オトモアイルーもサポートハンターも優秀なので、進めていきやすいバランスになっているかと。
アクション面はコンボの派生先が多く、集中モードの操作が難しいかもしれないが、そこは順序立てて覚えていくといいのでは。もちろんOBT2で練習しておくのも手だ。全体的に遊びやすくなって調整もいい感じになったので、早くみんなに遊んでもらいたい!

おわり

『モンスターハンターワイルズ』
対応機種:PlayStation5 / Xbox Series X|S / Steam
発売日:2025年2月28日(金)
価格:PlayStation5パッケージ版 9,990円(税込)
ダウンロード版 販売価格 9,900円(税込)
【デラックスエディション】 ダウンロード版 販売価格 11,900円(税込)
【プレミアムデラックスエディション】 ダウンロード版 販売価格 13,900円(税込)
プレイ人数:1人(オンライン:1~4人)
ジャンル:ハンティングアクション
CERO:C (15才以上対象)
©CAPCOM

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