Vジャンプ WEB
輩は悲しんでいる。たった一日で世界は変わってしまった。3月11日、地震が被災地(※注1)を襲うまでそこにはのどかで平凡な日常があったのだ。ラーメン屋さんがあって、コンビニがあって、会社だとか営業所があって、いっぱい家があって、皆、いつもと同じように暮していた。

 我輩は悲しんでいる。もう、3月11日までの世界に戻れないことを。我輩は3DSでレイトン教授(※注2)やってたんだよ。すごいなぁ、3DSって毎日ウキウキしてたんだよ。地震の後は崩れ落ちた本棚をかたづけて、TVが伝える被災地の様子に圧倒されて、それから東北の知人に連絡を試みたり、義援金呼びかけへ走りまわったり、節電に気をつかったりでレイトン教授を忘れている。

 我輩は悲しんでいる。若い読者にそれでもがんばろうと言うしかないことを。我輩は本当を言うと、がんばろうなんて書きたくない。心配するな、大丈夫だぞ、我輩が全力で君を守ってやるからなと書きたい。君はがんばらなくたっていいんだ。怖いときは怖いと言えばいい。泣きたいときは泣いたらいい。こんなとき、がんばるのは我輩たち大人の仕事だ。そしてどんなことをしても君を守ってやるんだ。当たり前のことだ。

 我輩は悲しんでいる。それでも君にがんばろうと言うしかないことを。我輩は君と同じ年齢の頃、全然がんばらなかった。毎日遊んで、いつも勉強しなさいと叱られていた。がんばろうなんて言う資格がない。それは我輩が一番わかっている。

 若い読者よ、我輩を許してくれ。がんばろう。前を向こう。のどかで平凡な日常を忘れない為に一緒に歩いていこう。


 ひとつだけ忘れないで欲しいことがある。今、『Vジャンプ』の他のページをパラパラ見渡してごらん。地震のことなんか何にも書いてないだろう。これには意味があるよ。いつか大人になったら我輩の言ったことを思い出して欲しい。『Vジャンプ』は君を守ろうとしてるんだ。余震のなかで編集もライターもデザイナーも校正も印刷も製本も配本も書店も、かつて世界がそうであったようにがんばった。のどかで平和な日常をいっしょうけんめい成り立たせようとした。どのページも心配するな、大丈夫だぞって伝えたいんだ。

 がんばって読んでくれ。がんばって遊んでくれ。明るく前を向こう。
『Vジャンプ』(※注3)も我輩もいつだって君の味方だ。


注1
3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震のこと。
注2
レベルファイブより発売中の、ニンテンドー3DS『レイトン教授と奇跡の仮面』。立体映像で飛び出すナゾや、ネットワークでのナゾ配信など、数々の新システムを導入したシリーズ最新作。
注3
Vジャンプはきみのために、来月からもずっとずっと楽しいゲーム情報、エンターテイメント情報を伝えていくぞ!!