■週刊少年ドラクエ!! WEB 番外編
スマートフォン用の人気RPG『ドラゴンクエスト スーパーライト』、みんなやってるジャンか?
先日大型バージョンアップを迎えて、6年目の今年もさらに勢いづいてるゲームなのジャン!
その『DQMSL』のインタビューが行われると聞いて、Vジャンプも取材に行ってきたジャ~ン!!
☆★☆★☆★☆★DQイベントレポート!☆★☆★☆★☆★
『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』
6年目を迎えて開発スタッフインタビュー!!
『DQMSL』は配信開始から6年目に突入し、先日の大型アップデートでバージョン6.0になりました!
その直前の6月某日、スクウェア・エニックスにて、『DQMSL』のスタッフインタビューが行われました。
インタビュアーは生配信番組「らいなま」でおなじみ、MC/実況担当のアールさん。
『DQMSL』のこれまでとこれからについて、開発スタッフのみなさんにたっぷり語っていただきましたよ!
<参加者(敬称略)>
堀井雄二(DQシリーズ生みの親)
犬塚太一(DQMシリーズプロデューサー)
柴貴正(『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』プロデューサー)
千葉直人(『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』運営プロデューサー)
インタビュアー:アール(らいなまMC/実況)
★サービス開始初期の思い出
アール まずは『DQMSL』5年半の苦労話や、あまり表に出していない秘話などからお話を伺っていきたいと思います。リリースし始めが一番大変だったというところで、そのあたりを。
堀井 まずは開発からじゃないの?
柴 一番はじめは…
堀井 こういうゲームを作りたいって願望があったんだよね。
柴 そうですね。その前にCygamesさんから話があって、今、スマートフォンのソーシャルゲームというのがあって、基本どういう遊び方かというと大体一緒で、育てて戦って、またその結果で育てて戦う、っていうサイクルがあるよね、って。これって多分『DQモンスターズ』だと思うので、それをそのままやるのが一番素直でいいんじゃないの? みたいな話を一番はじめの頃にしました。
犬塚 Cygamesさんは『神撃のバハムート』(※1)の頃?
【※1:『神撃のバハムート』】2011年よりモバゲーで運営されているソーシャルゲーム。美麗なイラストが描かれたキャラクターカードを集めてクエストに挑み、キャラクターを成長させていくビジュアルファンタジーRPG。フィーチャーフォンでサービス開始後、スマートフォンアプリ版も登場。2019年現在ではPC版も運営されている。
柴 そうですね。
堀井 開発の最初は「移動」をけっこう悩んでね。スマートフォンなんで、“ピッ”とやったときにダンジョンが“パッ”と切り変わったほうが、グリグリ動くよりは操作性がいいんじゃないかとか。そこまでいくのにけっこう変えたよね。
犬塚 最初は、ボタンを押してただステップを踏むだけのゲームみたいなのができたんだっけ?
柴 そうですね。(それまでのソーシャルゲームには)バトルと成長しかなかったんで、移動の概念を入れたいということでやったんですけど、最初は矢印ボタンみたいだったのかな。あんまり面白くなかったんですけど。
堀井 で、クックッと動くと気持ちいいじゃん、って話になって。じゃあ、これにしようと。
柴 スワイプ機能があるじゃないですか? iPhoneとかで。僕はあれが楽しかったのでゲームにならないかなって。
犬塚 言ってたね、確かにね。こういうのがやりたいんだけどって。
柴 そういうのがちょっとやってみたいねって。
堀井 でも、やっぱりDQなのでモンスターと出会って戦闘したいし、レベルアップもしたい。ダンジョンは迷いたいけど、移動は楽なほうがいいよって。
柴 そうですね。やっぱり移動が十字キーだとダルいので、いかにスマートフォンのフリックに合った操作か、そういう話をした記憶がありますね。
堀井 今の移動方法はスマートフォンにあってると思うよ。モンスターと戦うのも楽だしね。
アール 構想期間から開発が始まるまでって、どれぐらいあったんですか?
柴 構想って言うとあれですけど、やっぱりCygamesさんが素晴らしいのは、「書面じゃなくて、作ってやらないとわからないから、とりあえず作って持って来る」って言って。いろんな試作品を持ってきまして。
堀井 修正に対する対応も早かったよね。小回りが利いてた。
柴 はじめ、ちびキャラのモンスターがいっぱい出てきて、それが戦うみたいなのがあって。
犬塚 おーおーおー! ぜんぜん違うやつね!
柴 『半熟英雄』(※2)みたいなのがあったんですよ。
【※2:『半熟英雄(はんじゅくヒーロー)』】1988年、ファミリーコンピュータで1作目が発売されたシミュレーションRPGシリーズ。ボタン連打で戦いつつ、卵からモンスターを呼び出すバトルや、コミカルなキャラクターとシナリオが人気。なお一部シリーズ作品の音楽は、DQシリーズでもおなじみの、すぎやまこういち氏が担当している。2017年には、シリーズ2作目がスマートフォンで配信された。
千葉 ええーっ、そんなのあったんですか!?
犬塚 まったく違うゲームね。なんだか、そういうのがいっぱいあったよね。
柴 いっぱいありましたね。やっぱりスマートフォンらしいゲームで新しいのを作ろうってことでやってきたんですけど、いやもう素直に『ドラゴンクエスト』やったほうが良くない? って話になって、そこから「ああ、もうこれ普通にやったほうが楽しいかも」って中で…
堀井 『ドラゴンクエストモンスターズ』というシリーズがあるんだから、それをスマートフォン向けに最適化したものを作ろうよって。画面も操作性も基本無料というゲーム性も。
柴 そうですね。その中で移動の概念みたいな話になって、ダンジョンがあって…っていう、さっきの堀井さんの話につながっていくんですけど。多分1年以上はごちゃごちゃしていたかも…。
アール 1年以上…!
堀井 そんなことがあってやっとリリースって話になるけど。あの時の…マジすごかったよね!
一同 (笑)
アール 思い出話をすると、リリースの時の大変さというのは必ず出ますけど。
犬塚 言わざるを得ないわな。
柴 当日が…夜中に開けたんですけど、宣伝も何もしてないのに、すぐに口コミでバーっと広がって。
アール 宣伝なしでいきなり!? パッと出たんですね。
柴 数十万のアクセスが一気に来ちゃって、その後、リリースして4日間で100万DLいったんですけど。まさか…今では当日50万、100万とか当たり前ですけど、当時は4日間で100万もいくゲームがなくて、ネットワーク側がそれに耐えられるように作ってなくて。もうアクセスは集まるわ、DLはできないわで…DLできないだけならいいんですけど、途中までDLしていて諦めた人が、後でDLすると1回消さなきゃダメとか。まあ、いわゆるスマートフォンのゲームの黎明期みたいなミスがいっぱい出て。
アール スマートフォンのDQシリーズとしては一番始め?
柴 ソーシャルゲームとして初めてなんじゃないですかね。
犬塚 うん、そうだね。
アール じゃあいろんな新しい試みの集合体だったんですね。
柴 そうですね。Cygamesさんも、スマートフォンのゲームの前に作っていた…さっき言った『神撃のバハムート』とかブラウザのゲームなんですよね。当時は業界全体としてスマートフォンのお作法みたいなのを、まだ勉強中なところもあって。それで、お互い「大変だ」みたいな。
犬塚 ははは(笑)。
★公式生放送「らいなま」について
アール そういういろんなことがあって、そこから公式生放送の「らいなま」が始まるわけじゃないですか。ここにちょうど、第1回の資料があるんですけども。
犬塚 第1回はいつやったんですか?
千葉 7月だった気がしますね。
柴 (写真を見ながら)クロちゃん痩せてる…。
アール はじめの「らいなま」は4名ですね。広橋(涼)さん、柴さん、黒川さん(クロちゃん)、千葉さん。
柴 (裏声で)「あーん、本名!」
アール ありがとうございます(笑)。…この4名になった経緯、そしてこの4名で行く、と言われたときに堀井さんが思われたことなど、もし何かあれば。
堀井 ある程度、そこは任せているので。
柴 そうですね。ほぼここからはお任せで。
堀井 僕は大体、立ち上げまでは、ああだこうだ言うんだけど、軌道に乗っちゃったらほとんどお任せになる。
アール そうなんですね。
柴 ありがたい話です。
堀井 何かあったら、また言うけどね。
アール なるほど。
★犬塚さんとクロちゃんはビジュアルが似ている!?
柴 「らいなま」メンバーがこの4人の理由は、犬塚さんと似てる人(クロちゃん)がいるから(笑)。
堀井 ははは、なるほどね(笑)。
犬塚 代わりに…?
堀井 キャラかぶるからね(笑)。
アール いやほんとに、犬塚さんに「らいなま」に出ていただいて、「兄弟じゃん!」みたいな、ちょっとネタっぽいことやってましたからね!
犬塚 1回、肩組んだりしたことあったよね。
千葉 ありましたね~。
犬塚 フローラ・ビアンカ論争とか2人でやったりしたもんね。
一同 (笑)
アール 僕は横で見ながら、「え、犬塚さんコレいいんですか?」って思ってました。
犬塚 その前に、なんかクロちゃん、社内に来てたよね?
柴 大会で来てました。あ、でもそれはもう「らいなま」で呼んで。
犬塚 ああ「らいなま」の繋がりで来てたのか。
★広橋さんの独特キャラクター性
アール 広橋さんは、どういう…?
柴 広橋さんは…。堀井さん、前、僕が一緒に番組やってきたときに「MCっていろいろ引き出していくのがすごい大切」って仰っていたじゃないですか。
堀井 うん、そうそう。
柴 (広橋さんは)まったく引き出してくれないんですよ。
一同 (笑)
堀井 えっ? そうなんだ(笑)。
柴 ゲームのことも全然知らなくて、もう40何回か「らいなま」をやってますけど、ようやく最近「iPad買ったんです」っていう…。それまで、「ガラケーだからできないんです」みたいな。
堀井 なんで(広橋さんを)選んだの?
柴 おしゃべりが面白いんですよね。異常に面白くて。
アール そうですね。独特の空気感がある方で。
柴 この番組、謝罪を結構やってきたんですけど、彼女がいると…。
堀井 和むんだ。
柴 和みます。
アール 確かに。吸収力高いですよね、広橋さんは。
柴 あの、女の子がよく持っている吸収力ってあるじゃないですか。キャピキャピして「ごめんなさいね」って、そんな感じじゃないんですよ。「なんかやらかしちゃったけど仕方ないね~」みたいなニコニコした感じで。
アール 「やっちゃった、ごめんねー!」みたいな、そんな謝りかたをされるんですよね。
柴 それが(キャラ的に)許されているので、面白いなと思いますね。
アール 「らいなま」第1回の謝罪のときも…。
千葉 最初謝罪から始まったんですよね。
柴 そうそう、この3分くらい前は謝罪ですよ。
一同 (笑)
アール 伝説としてよく語られる…。
犬塚 1回目の頭がもういきなり謝罪だったという。
アール すごいですよね(笑)。
柴 でもまあ、本当に彼女は面白いですよ。「らいなま」3回目ぐらいまでは、ゲームやらないからお客さんにすごく怒られてたんです。みんな、普通タレントさんって勉強してくるじゃないですか。(広橋さんは)全然勉強してこなかったんですけど、4回目ぐらいから視聴者がもう諦めて。もういいよって(笑)。
堀井 ある意味キャラが立ってたんだね。
柴 ええ、そこはすごいなって。ハート強いなって思いました。
アール たった4回で、もうその立ち位置に行かれたんですね。
★魔族? モンスター? 魔剣士ピサロ登場!!
アール 「らいなま」でいろんな情報を出していく中、「魔剣士ピサロ」が登場しました。ピサロは魔族ですが、モンスターなのか? というお話があって、いろいろあったのではないかというところで、ピサロが『DQMSL』に登場したことに対する思い出深いお話があれば伺いたいです。
犬塚 ピサロは最初はリメイクの『IV』だと思うんですけど、コンシューマーのほうの『DQM』でも出そうと思ったんですよね。それで堀井さんと話したんですけど、この外見で「配合」させるわけにはいかないから、っていう話になって、『DQM』では使えなかったんです。でも『DQMSL』は「配合」っていう体裁じゃないじゃないですか。
柴 「転生」ですね。
犬塚 なので、だったらいいじゃないって話で。だから『DQM』としては念願の登場だったんです。
アール じゃあピサロが出る、育てられる、ということで反響は大きかったですか?
柴 数字的には大きかった?
千葉 まあ、数字的には(笑)。
アール たくさんの人が喜んだという数字的な意味でね(笑)。
堀井 仲間にしたいもんね、みんなね。
犬塚 しかも、えらく強かったでしょ?
千葉 めちゃめちゃすばやいんですよ。「神速の剣技」でバシュバシュと。
★「らいなま」番組名の由来とは?
堀井 ちょっと話は戻るんだけど、そもそも、なんで「らいなま」って言うの?
柴 いいこと聞かれますね。「スーパー“ライ”ト“生”放送」の略です。
堀井 ああ、なるほどねー。
柴 僕もそれ何回か聞いたことがあって。あれ、なんで「らいなま」なんだっけ? って…。
アール 一応、広橋さんは今でもタイトルコールで「『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』の生放送! 略して「らいなま」~!!」って言ってますね。
堀井 じゃあちゃんとわかってるんだ!?
柴 彼女だけがわかっています。
一同 (笑)
★『DQMSL』オリジナル魔王登場までの思い出
アール 『DQM』があって『DQMSL』がある、というお話の中で、『DQMSL』にしか出ていないオリジナルの新魔王がいますよね。これについて、ニコファーレで行われたDQシリーズ30周年イベントのときの資料が用意してあるんですけど。
堀井 そういう企画、やったねー。それぞれのプロデューサーが、その場で僕にプレゼンするという。
アール こちらが、柴さんが実際に堀井さんに「オリジナル魔王を出したい」とプレゼンしたときの写真です。
柴 ありましたねー。覚えてます?
堀井 覚えてる、覚えてる。魔王もね、品切れになっちゃうとアレなんで。
一同 (笑)
堀井 従来の魔王をバーゲンセールみたいにしたくなかったんだよね。だから『DQMSL』専用の魔王があってもいいんじゃないかと。
アール そこで生まれたのが、この「魔王オムド・レクス」ということで。これに関しては、なぜこういう形で登場したんでしょう?
柴 まあピサロの流れで男前にしたいなと(笑)。
一同 (笑)
犬塚 イケメンがいいよね、みたいな。
柴 あと“とくぎ”がやっぱり、時を反転させるというところが。対戦としてスピードがまったく逆になるというのは、ゲームが全然ちがう風になっていくんじゃないかと。
アール 今でも実戦で使われている「リバース」という“とくぎ”ですが、長期戦という意味では、ゲームバランスを崩しかねない難しい“とくぎ”なのではないかと、僕なんかは思ってしまうんですが。その辺の苦労話は、千葉さんいかがですか。
千葉 でもやっぱり、ずーっと同じ戦い方をしていると飽きちゃうので。「リバース」って、まったくそれまでと違うギミックじゃないですか。そういうのは、定期的に入れていきたいという話はずーっとしていました。実際に当時、オムド・レクスが入って変なバランスになっているかと言うと、戦略の幅ができて楽しくなったと思っています。
柴 ゲームが、ちょうど…何年目だっけこれ? 2年目だっけ、3年目?
千葉 …3年目の夏とかじゃなかったかな?
柴 対戦ゲームとして非常にきっちり組まれてきたタイミングで、ようやく出たモンスターなんです。
犬塚 もう全国大会は始まってた?
千葉 始まってましたね。
柴 全国大会も最初の頃は、「○○ゲー」って言われるくらい、なんか(特定の行動を)やってたら勝てるような流れだったんですけど、ここら辺ぐらいから…。
アール 対戦に奥行きが出てきたような感じですよね。
柴 はい。
★オリジナルモンスターやコラボモンスター、CMについて
アール そして「魔王オムド・レクス」の系譜と言いますか、『DQMSL』オリジナルのコスプレ魔王たちが登場します。
結構、モンスターの立ち位置的にも面白いところにいるのかなと、僕もプレイしながら思います。
コラボもいろいろありました。『ロトの紋章』コラボのときに、実際にDQ夏祭りでちゃんと堀井さんにお伺いを立てて、「オリジナルモンスターはどうですか?」と(笑)。
これは僕も参加させていただいていたので、記憶に新しいところです。それで生まれたのが「巌圏王」ということで、なかなか実用性の高い、いいモンスターですよね。
アール それから『DQMSL』と言えば、CMが結構変わっていますよね。
堀井 あったねー、いろいろCM面白かったねー(笑)。
柴 CMは堀井さんもほとんど立ち会っていただいています。
犬塚 最初はのんちゃん?
堀井 のんちゃんだね。
アール 橋本環奈さんとか。
千葉 北大路欣也さんとか。
アール かっこよかったですね。「メラガイアー!!」って。
柴 でも、資料はその中でもフザけたCM4つ持ってきたんだね(笑)。
一同 (笑)
アール フザけた4つがピックアップされているんですけど(笑)。CMを考えられるとき、やっぱり予算を割くものだと思うので、どういう風にCM案が決まっていくのかを伺えますか。
堀井 どんなのかはコンテを見せてもらって、「これいいな」というのを決めていくんだよね。
アール じゃあ一応フザけたものも、堀井さんの目を通って「いいんじゃない」ってなってから…。
一同 フザけた…(笑)。
アール でも僕も、初めて地上波で見たときに、「えっ、コレいいのか!?」と思うやつとかもあるじゃないですか(笑)。
柴 堀井さんに「くだらないねー」って言われたときは、大体いいんですよ(笑)。
一同 (笑)
★4周年でDQ落語!
アール 4周年のときは、末廣亭でDQ落語をやりましたが、もうゲームを超えてコンテンツが広がっているなという印象がありました。このときの座布団が、近々発売されるそうです。
堀井 そうそう、これ人気あったんだよ。
千葉 商品化されたんですよ。
柴 やっぱりピエールで、上に乗れるっていうのがポイントで。
アール もう、この時の袴を着たお2人の晴れ姿がね。結構関係者の方はニヤニヤしながら見てましたね。
千葉 そうなの(笑)?
★バージョン6について
アール 今回、バージョン6になるにあたって、新しい試みが入っていると伺っています。そこでバージョン6で目玉となる「超魔王」について見ていきたいと思います。この資料には超魔王「闇の覇者りゅうおう」とありますが、まずは「超魔王」という概念からお話を伺えますか。
堀井 まあ、「もっと強い魔王」ってことだよね。やっぱりバランス難しいんだよ、運営モノはね。売り切りのゲームだったら、それこそガシッとバランス取ってそれが完成形ならいいんだけど、運営モノは、どんどん新しいコンテンツを追加していくからバランスが本当に難しいなと思う。それで「超魔王」を作りたいって要望があったので、「いいんじゃない」って。
アール ユーザー視点からすると、今SSまでランクがあるのが、SSSとかになるのかな? と思っていたんですけど、それをあっさり超えて「超魔王」に。
堀井 “S”がひとつ増えるより、魔王に超がついたほうが面白いよね。
千葉 そうですね。わかりやすいですしね。
アール DQと言えば魔王という、ユーザーさんもすごくリスペクトしているところがあって。「魔王が強いのはしょうがない」みたいな空気感は、どこまで行ってもユーザーとして感じますね。
堀井 令和だし、新しい強いのが出てきてもいいよね。
一同 確かに、いいですね(笑)。
千葉 あとやっぱり魔王って、これまでもゲームの中で調整とかやってきているじゃないですか。『DQMSL』の中で、魔王っていうのは他のモンスターと違う特別なモンスターなので、今回やっぱり魔王の強い『DQMSL』にしたいっていう考えがあって、堀井さんに「超魔王」を出したいと提案させていただきました。
アール 犬塚さんは、この「超魔王」という概念は、『DQM』の生みの親としてはどう思ってらっしゃいますか?
犬塚 わりと早い時点で相談があって。
千葉 犬塚さんには事前にご相談させていただいています。
犬塚 やっぱり、さっきの弾切れの話もありますけど(笑)。どうしても、行き着いちゃうというか。『ドラゴンボール』がどんどん強い敵を出さなきゃいけないように。で、どうしましょう、って話がいろいろあった中で…もっととんでもない案も、確かあったと思うんだけど…。
千葉 りゅうおう(強)とかも、案としてはありましたね。
犬塚 りゅうおう(♀)みたいな話もあったよね。
アール りゅうおう(♀)!?
一同 (笑)
堀井 それはやだな(笑)。
犬塚 そう、堀井さんは絶対やだなって言うと思って(笑)。まあ、事前案はいくつかあって。でも一番シンプルに行くのが良かろうという。
アール 今回の超魔王「闇の覇者りゅうおう」は変身すると聞いていますが。そこにモニターがありますが、この後、画面で見られるんですか。
柴 やっぱり、魔王といえば過去のナンバリング全部そうですが、必ず途中で変身するんですよね。
アール 原作、そうですよね。
堀井 『DQⅠ』からそうだからね。
柴 それを、ユーザーは一番望んでいるんじゃないかというところで。
千葉 「超魔王」というんだったら、新しいテイストは入れたいなということはCygamesさんと話をしていて、じゃあバトル中に変身して戦うものにすればいいじゃん、と。
アール お、始まりました!
柴 あら、違うゲームみたい(笑)。
堀井 バックの演出がいいね。
アール 黒いオーラが吹いてましたね。
(スタッフ)この「しょうたいをあらわす」というのが変身ですね。
アール つまり「りゅうおう」に関しては、能動的にバトルの途中で変身できるという感じなんですかね。
千葉 魔王ごとに変身する条件は変えていこうと思っていて、「りゅうおう」に関しては自分の意志で正体をあらわしたり。
アール それこそ、今までのナンバリングを遊んだ人からみれば、「これこれ!」みたいな。
千葉 そうですね、そこを目指しています。
柴 じゃあ、他の魔王だと例えば…?
千葉 今考えてるのは、例えばハーゴンだったら、自身を捧げてシドーを召喚するという原作があったので、ハーゴンが死んだときに、シドーが出てくるというようなものにしたいなと考えていますね。
アール それなら今のシドーって、調整で「ひん死でベホマ」ってすでに再現されているじゃないですか。あれすごいなって思うんです。
★今後登場予定の超魔王を堀井さんにプレゼン!
アール 本日この場で堀井さんに見ていただきたいものがあるという風に伺っています。
千葉 超魔王の「???」を今度出したいのですが、そのイラストを2パターンご用意しましたので、この場でご確認いただきたいなと。
堀井 この前1回見たっけ?
千葉 はい、一度お見せしまして。
堀井 あんまり迫力がないって言ったよね。
千葉 それで背景とか煙のような部分を足したんですが、あともう1つ、アングルを変えたバージョンを作ってみました。
堀井 (正面、横向きの2つの絵を見て)この前のは横向きで小ぢんまりしてたんだけど、これはそんなに小ぢんまりしてないかな。
柴 多分、羽の付けかたを変えてるよね?
千葉 そうですね。
堀井 (横向きの絵を指して)それだったらこっちでもいいかも。ただ、目はこっち向いててほしいかな。じゃあ、これでOKです。
千葉 わかりました。ありがとうございます!
一同 おおおーっ!
柴 コレ、やらせナシですからね。
犬塚 (いつも)まさにこんな感じ。
アール リアルな風景をこの場で見せていただきありがとうございました。
★『DQMSL』の今後の展望
アール さてここからは、6年目の『DQMSL』の今後、未来の展望を伺っていきたいと思います。新しい魔王などコンテンツが広がっていっていますが、柴さんは今後をどのようにお考えですか?
柴 やることがいっぱいで『スーパーライト』ならぬ『スーパーヘビー』と言われているゲームですが…。どうしてもソーシャルゲームってやる時間が長くて、スマートフォンなのでいつでもやれて、いろんなことがやれたほうがいいということでヘビーになってきています。(目標の)1つはより快適にしていくってことですね。もちろん新しいシステムは足してもいいんですけど、堀井さんがよく言われることで、「面倒くさいとやらないよ」って。これが実はすごくDQの大切な背骨だと思っているので、まず「今のシステムでやりやすくしていく」ということは、必ずやらなきゃダメだと思っています。それプラス、途中から入ってきた人も遊べて、かつ今やっているヘビーユーザーにも、確実に欲しいものを届けたい。「新しい」よりも、「欲しい」と言われているものを確実にやっていくのが、多分正しいんじゃないかなと。そういう意味では「超魔王」って、やれる範囲内だけど、嬉しいことじゃないですか。
堀井 新しさは出したいんだけど、どうやっていいかわからなくなるのはプレイヤー的に一番つらい。新しいシステムとかも、説明しなくても感覚的にわかる、ぐらいのね。
千葉 感覚的にわかるというのは、すごく大切ですよね。
柴 「超魔王」って言葉は感覚的にわかるじゃないですか。強い魔王なのね、という。
アール 今、柴さんのお話にあった「ユーザーのかゆいところに手が届くように」という部分は、『DQM』を作ってこられた犬塚さんは、ノウハウは共通していたりするんじゃないですか?
犬塚 やっぱり、スマートフォンはスマートフォンの、独特の間合いがあると思うんですよ。だからもしかすると、よりシンプルさが求められると言うか。ゲーム機だとまだ、手元で耐えられる。(スマートフォンは)もっと短い時間でやるじゃないですか。電車の乗り継ぎの間とか。
堀井 戦闘もあんまり複雑にすると面倒くさいしね。どこかオートにして、でもなんか触ると変化がある、とかね。
犬塚 より短い時間で触ってるんだけど、より長く遊ぶっていう。だからずいぶん違うと言えば違う。しかも常時オンラインのゲームだからね。オンラインの『DQM』としては、完全に『DQMSL』に預けているイメージです。
アール 柴さんと犬塚さんって、ゲームの開発についていろいろお話をされるんですか?
柴 あんまりしないですねー。
犬塚 週一で会っているけど、そういう話はそんなにしないですね。
柴 ただ、ヘビーにやり込んでるゲームは何か、みたいな話はよく聞きます。
堀井 犬ちゃんは犬ちゃんで、『DQM』作ってるしね。
犬塚 そうですね。古い付き合いでもありますし。そもそも『ヤンガスの不思議のダンジョン』の頃に一緒に仕事したりもしているので。なんかこう…チャラチャラしている割に、ちゃんとゲームのことを考えているんだ、ということはその時点でわかっていたんで。
柴 ここです! ここ、記事に使ってくださいね(笑)!
一同 (笑)
柴 ただ、真面目に考えすぎて、堀井さんに引き戻されることはよくあります。「難しく考えすぎ」って。
犬塚 その点、堀井さんはユーザー目線がブレないんですよね。これは不思議な事で。
★堀井さんのユーザー目線はずっとブレない
アール その目線を維持するために、堀井さんは何か意識されているんですか?
堀井 いや、もう生まれつきみたい。
一同 (笑)
堀井 あと、僕の特異な才能のひとつは、わかりにくいことをわかりやすくするために、どうすればいいかというのを、ポンとすぐ思いついちゃうのね。あまり手間をかけずにやる方法を。
柴 しかもコストをかけずにやるのがすごく重要なんですよね、堀井さんは。文字でなんとかする。
犬塚 イベントのフレームだけ残して、文字を変えるだけでガラッと変えちゃったりとか、ほとんどクイズみたいなことをやったりしましたよね。
柴 で、その場でほぼほぼできるっていう。
犬塚 『ヤンガス』だって、まさに最後それやってたよね。
柴 そう、最後だいぶ多めに変えました。
アール 今のお話を聞いていて、クリエイターでありながらユーザー目線というのは難しいことなんじゃないのかなと思いました。
犬塚 そうそう、だからそれがすごいと思うんですよ。やっぱり作ってる側寄りになっちゃうじゃないですか、どうしても。ある程度出来てるし、現状維持したくなったり。でももう、そこだけはスパーンと「いや、わかんないよ」とか「話が先行っちゃってるよ」とか。
アール 堀井さんに伺いたいんですけれど、クリエイターの目線とユーザーの目線がどこかで交じることはないんですか?
堀井 あんまり意識しないんだけど、例えば車を運転すると、歩行者の気持ちを忘れるっていうじゃない。そういうのもほとんどなくて。ゲームをやっているときは本当にユーザーになっているから。自分の作ったゲームであっても。「これめんどくせーな」って(笑)。
一同 (笑)
犬塚 新しい仕様を考えるときは、普通にクリエイターなんですよ。それがなんか、どこかでピッと変わるんですよね。
柴 そうですね。組み上がってみたらすぐにユーザー目線になるんですよね。
アール これまでで一番、作ってみたけどこうだった、っていうのが印象的なゲームって何かありますか?
堀井 それはね、なんだろうな…意外とないかもしれない。頭の中でまず、シミュレーションしちゃうんで。
アール クリエイターでありながらも、精査しているという感じですかね。
堀井 簡単な例をあげると、よりリアルにしようと思って、『DQ』の山のところでスピード遅くなったりしたことがあったんだよ。カクンカクンと。でも、「これいらねーよ」と思った(笑)。そういうリアルさはいらねーよって(笑)。
一同 (笑)
堀井 ある意味、人の家の中のタンス開けたりするのってリアルじゃないんだけど、「まあいいんじゃないの」って。ゲームの中くらい、他人の家のタンスを自由に開けたいよって(笑)。
アール 確かに。なんか入ってたら嬉しいし楽しいですもんね。
堀井 それを逆手に取って「ドロボー!」って言われるようなイベント作ったりね。僕はイタズラ仕掛けるの大好きなんです。
アール 今はゲームがどんどんリアルになっていっています。そんな中で「フィクションだから」「ゲームだから面白い」という部分は、作り手側からするとサジ加減が難しいのではないでしょうか。
堀井 僕は漫画原作をやっていたので。ドラマって省略の美学なんですよね。つなぎのシーンとかつい入れたがるけど、それ、いらないんだよね。セリフもそうだけど段取りみたいなのはどんどん切っちゃう。
犬塚 説明の部分はもう短くしますよね。前に堀井さんに、どんなセリフが一番いいのかって聞いたら「いや、とにかく短いので」って言ってましたもんね。
堀井 余計なセリフは書かない。「今日、天気いいね」って言ったときに「ああ、いいですね」っていうのはいらないんだよね。「俺は悲しい」とか次の話題にしちゃう。キャラのモーションとかでも段取りを入れてたら、どんどんタルくなっちゃう。
アール その精神をDQに関わる人たちに受け継いでいって欲しいと。
堀井 そういう意味では、感覚的にわかるものを作ってくれていると思うんです、ある程度。
柴 ある程度。
犬塚 ある程度。
一同 (笑)
柴 『DQMSL』も初期はすごい直されましたし。バーっと直していただいて。
犬塚 導入のところとかいじったよね。やっぱりどうしてもゲーム説明はダラダラしがちなんだけど。触らせてから説明とかね。
堀井 全部わからせなくていいよね。わかった気にさせればいい。
アール “わかった気にさせればいい”!!
堀井 そうそう。
アール でもそれがすごく難しいような気も…。
堀井 それで安心して始めるから、やっているうちにどんどんわかればいいわけで。
犬塚 全貌なんてわかるわけがないですしね。
堀井 でもね、親切でいっぱい入れようとして、チュートリアル長くしちゃうゲームがけっこうあるんだよね。そうすると、「チュートリアル、タルいよ!」って思っちゃう(笑)。
アール そこを感覚的にわからせて、文字を極限まで減らすという。
柴 DQはどのタイトルも、そうなってますね。ちゃんと。
犬塚 そこだけは、ほぼ必ず堀井さんが見てますからね。
柴 そうですね、必ずゲームスタートから始めの1~2時間分のところまでは、見ていただいている。場合によってはEXCEL(のファイルを)よこせ、って言われて直していただく(笑)。
犬塚 よこせ、って言われて渡して書いてもらうと、そこからは堀井さんちょっと長いんだけどね(笑)。
一同 (笑)
★ユーザーの抱える不満と、今後実装したい機能
アール バージョン6のアップデートについて、ユーザーの抱える不満や、今後実装を検討している機能についてお聞かせください。
まずは討伐モンスターのドロップ率について、千葉さんに伺います。いきなりゲームの中のコアな質問ですが(笑)。
千葉 ドロップ率はモンスターの強さや、クエストのボリューム感などと合わせて調整しています。直近のイベントで不満の声があったのは認識しているので、何かしら調整は入れていこうと考えています。特に討伐リストが終わった後にドロップ狙いだけで周り続けるのは辛いと思うので、周ったらそれだけちゃんともらえる形にしていこうかなと思っています。
アール 実際に討伐で、ふくびきじゃなくても実用的なモンスターも増えています。過去の討伐モンスターの復刻なども、けっこうやっているイメージはありますよね。
千葉 そうですね。闘技場があるので、過去のモンスターが今手に入らないとなると、そのモンスターを使えなくて不利になったりします。だからなるべく、昔のモンスターも手に入る機会を作っていこうと思っています。
アール そして、“そうび”についても伺いたいです。僕が思うのは、コラボイベントでコラボ装備が出るじゃないですか。例えば今だと『FFBE』(※3)コラボの装備が手に入らない状況ですが、対戦してると「この装備を持っていたら…!」みたいな瞬間がありまして。何かの形でコラボモンスターは難しいかもしれませんが、コラボ装備は取れたらいいな、と思いますけれど。
【※3:『FFBE』】『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』の略称。スクウェア・エニックスの人気RPG、FFシリーズのスマートフォンRPG。
千葉 そうですね…コラボについては、ちょっと別枠だったりするんです(笑)。“そうび”を単純に出していいか、ということについては我々の判断だけではできない部分があるので…。ただ、持っていないと不利になる、という状況は作らないように、何か別の形で入手機会を作るなど検討したいと思います。
アール 最近は、モンスターの転生、新生転生などか増えてきて、転生素材不足や、タマゴロン牧場がせまいとか、そういうお話もたまに出てきます。なので、「転生素材とか、錬金素材を減らすというのはどうですか?」というご意見もあるようなのですが。
千葉 ゲームのコンテンツが少し増えたりとか、闘技場でマスターズGPという対人コンテンツが入ったりとかで、ゲームを遊ぶ時間の割合が、育成だけに割けないという状況があると思います。それで、育成の時間を少し減らすために転生素材の入手難易度を下げるとか、最近だとタマゴロンメダルというのを出したりしているんですが、入手しやすい期間を作るなど、そういった方向で考えています。
アール レベルMAXで地図解放とかも良かったですよね。
千葉 そうですね。ああいうキャンペーンも含め、育成の時間を減らして遊ぶ時間を増やしてあげたいなと。
★ユーザーコミュニティについて
アール 5年間運営されてきたことで、ユーザーコミュニティが多いなという印象があります。この先、ユーザーコミュニティに対して今後何かやることはありますか。
千葉 まず前提としてユーザーコミュニティって、『DQMSL』をみんなで遊びたい、っていうところですよね。
アール 今でいうと、チーム機能があるじゃないですか。あれの延長で仲のいい人たちがLINEグループを作って50人とかで集まって、そこで超ガチ勢のリーグ戦とか、公式ではやらないFランクしばりの大会とか、やっていたりします。すごい面白いなって思うし、『DQMSL』の遊びを多様化していると感じます。そういう人たちのモチベーションを何らかの形で上げることができないかなと。
柴 公式大会の何か…サポートグッズとか、例えばそういうことですよね。よく言われていることなので、やらなきゃダメでしょうね。ただゲーム内でコミュニティを無理やり持たせると、コミュニティに入らないとダメなゲームになるから、その方向はちょっとやめておこうかなと思っています。コミュニティが多いと有利、友達いないから不利、とかは、僕はゲームとしてはダメだと思うので。
アール 称号1つでも、その大会に勝った人にあげますよ、とかがあると、すごくモチベーションが上がるのかなとは思います。
千葉 そうですね。ただやっぱり運営モノなので、そこは皆さんに平等にしたいです。特定のコミュニティばかり恩恵を受けている、みたいなのは良くないじゃないですか。なので、やり方は考えなきゃいけないですけど、そういった活動も検討していきたいです。また、コミュニティの先には公式大会がありますので、そこでみんなが集まるようになるとか、そういった運営からのイベントも、今後も積極的に行っていきたいです。
アール そうですね。それなら例えば僕が(非公式大会に)参加して、視察してくるとか…(笑)。
千葉 まあそういうのも面白いかもしれませんね、出張(笑)。
アール そういう風に、うまく運営とユーザーのつなぎになれたらいいなと、よく考えます。
★モンスター以外に、キャラクターの参戦はある?
アール バージョン6で「超魔王」も入りますが、そろそろ何か新しい部分があれば、というユーザーも多いと思います。ただ、『ドラゴンクエスト“モンスターズ”スーパーライト』だから、基本はモンスターだと思いますが…モンスター以外のキャラクターが出ることはないですか…? ユーザーとしてはやっぱり、DQ本編をやったときに「あのキャラ好きだな」という気持ちがあるので。
柴 誰、好きなの?
アール ライアン。
柴・千葉 渋いな(笑)!
一同 (笑)
アール 直接的に僕の口から「こうしてくださいよ」っていうのはあまりにもおこがましいのですが、何かちょっとでも、そういう未来の可能性が感じられたら嬉しいなと。
堀井 人間キャラね。他の派生タイトルも出したりしてるよね。『DQライバルズ』とか。
柴 そうですね。…と、いうことは?
堀井 と、いうことは…(笑)?
一同 (笑)
堀井 「出しかた」だよねー。
犬塚 『DQMSL』らしい出しかた。
千葉 がんばって考えます(笑)。
アール 可能性はなくはない…?
柴 魔剣士ピサロのときも同じなんですけど、DQとしてしっかりしていて、お客さんが喜ぶことなら堀井さんは基本的にOK出してくれます。
堀井 『DQMSL』は順調にいっているからほとんどお任せしてるんで。バージョン6もどれだけ楽しいものになるのか、僕自身も楽しみにしているんです。
(人間キャラは)「どう出すか」だね。
柴 「どう出すか」、それをちゃんとお客さんに説明できるか。
犬塚 “モンスターズ”だからね。“キャラクターズ”になっちゃうとまずいわけで。
千葉 ちょっとハードル上がりましたね(笑)。
堀井 今は『モンスターズ』と『ヒーローズ』で分かれているからね。
犬塚 でもまあ、「ならでは」のやり方って絶対あるはずなので。
柴 『ヒーローズ』にもモンスターは出てますよ。
堀井 そうだね(笑)。『星ドラ』も出ちゃったからね(笑)。
犬塚 でも仲間にはならないじゃん、向こうは。
柴 じゃあ仲間にならなければいいのかな…?
犬塚 まあ、まあまあ…。
一同 (笑)
千葉 いやー、でもやっぱり使いたいですよねえ、プレイヤーの皆さんは。
アール DQらしさ。
千葉 『DQMSL』らしさですよね。『DQMSL』でヒーローが出るなら、こういう形だよねっていう。
堀井 いろいろ考えられそうだけどね。
アール 先程堀井さんが仰っていたお眼鏡にかなえば。
堀井 「こう来たか!」っていう驚きもほしいな。
犬塚 先行者がいるわけだから。負けない形でね、素晴らしい搭載をして…。
一同 他人事…(笑)
アール これは『DQMSL』ユーザーも「マジか!?」って感じのお話じゃないですかね。
柴 僕らも「マジか!?」って感じです。
アール いやもう、そこはお二人の双肩にかかっている部分になるじゃないですか。
柴・千葉 いやいや、Cygamesさんです。
一同 (笑)
アール そんなこと言わないでがんばって(笑)!
柴 いやでも本当にCygamesさんはすごくゲーム好きな方が多くて。そこを堀井さんに信用していただいているのもありますし、お客さんもついてきているってことは、それは面白いものだと思うので。基本そういう作りかたで、今回のやつも考えはしますけど、現場からの意見もたくさん聞いて。
堀井 毎晩、何十万人もやってるんだよね、それってすごいことだよね。
柴 どっかの県の人口ぐらいですよね。
一同 (笑)
犬塚 毎日ですもんね、しかも。
アール 最近だと芸能人の方でも、本当にお好きでやってくださっている方がイベントに来られたりもしますね。
★最後にユーザーの皆さんにメッセージ
アール ではそろそろお時間ということで、最後に皆さんからメッセージをいただければ。
千葉 『DQMSL』は6年目を迎えましたが、ゲームの楽しい部分は変わっていないと思っています。新しいモンスターが出る楽しみや、それを育てたり、闘技場で活躍させたり。そういった楽しみの部分を変えずに、今後もゲーム内も、オフラインの大会も、どんどん積極的にやっていきたいです。これからも『DQMSL』を、お客さんと一緒に作っていきたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします。
犬塚 DQMシリーズとしては、『DQMSL』が3~4年前ぐらいから完全にエースだと思うんですよね。4番バッターであり、エースであり、っていう感じなので、もうとにかくこのまま、何十万人もお客さんが喜んでくださっているので、ずっとそのお客さんたちを喜ばせていく商品でありつづけて欲しいなと。そのために、手伝えることは手伝いたいなと思ってます。やっぱりある意味どうしても、コンシューマーゲーム機って時間かかるので。その間に毎日、何十万人ものお客さんに毎日遊んでもらえている『DQMSL』の存在って、とても大きいです。
柴 DQの中のDQMシリーズって、対戦だからというのもありますが、やっぱりゲームの深度があるという特徴があります。DQユーザーはいっぱいいますけど、その深度の一番深い人たちを楽しませていくコンテンツだなあと思っています。そして『DQMSL』は対戦ゲームで環境を変えていけるという、非常に良いスマートフォンのゲームならではの魅力があるので、その部分は必ず尖らせていかなきゃダメです。目標は2つあって、千葉も言っていたとおり、闘技場がエンドコンテンツになってくると思うので、そこをどうやって楽しませていこう、という所が1点。あとは「めんどくさいゲーム」ってダメだよね、ということがもう1点。これは本当に仰る通りで、いかにめんどくさくないように作っていくか、しかも今のユーザーを楽しませていくかという。これらは二律背反していることかも知れないですけど、ひょっとすると答えはあるような気もしますし、そこに向かってチャレンジしていく上で、6年目、7年目とやっていくべきなのかなと思っております。その中でオフラインコミュニティっていうのも、これも『DQMSL』独特の、ユーザーとガチで殴り合うというのも、やってきたことではあるので、そこは大切にしながら、闘技場も面白くしていきたいです。
堀井 最初のうちはいろいろ炎上もありましたけど(笑)、結構うまく運営してくれていると思っています。そういう意味でも僕はもうほとんどお任せ状態で、ユーザーとして楽しんでいるんで、バージョン6でどういう風に楽しませてくれるのか、ヒーローをどう扱って出してくるのかとか(笑)。ユーザーの皆さんも、僕と一緒に楽しみましょう!
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こうしてお話を聞くと、『DQMSL』にもいろいろあったんだな~って実感するジャンね!
この先に登場するモンスターたちも、とっても楽しみジャン!!
スタッフの皆さん、これからも開発がんばってくださいジャ~ン!!
